今年は2年に1度のビッグイベント・東京モーターショーが開催されますね。日本の自動車メーカーを中心に「ワールドプレミア(世界初披露)」のモデルが今から楽しみです。
ところで皆さんご存知のように、会場となる東京ビッグサイトでは年間を通して様々なイベントが開催されています。3月27日(木)から31日(日)には、日本最大級のペットイベント「インターペット」が開催されました。
このイベント、ペットブームの追い風を受けて年々規模を拡大し、関連業界以外からの出展が増えています。自動車業界からも国産メーカー系企業や輸入車インポーターがペットを通して新しい顧客にアプローチするマーケティングの機会として出展しています。
その中でも、毎年積極的に展示を行うボルボと今回初参加を決めたフィアットのコントラストが興味深かったのでご紹介します。
ボルボ・カー・ジャパンは2016年からインターペットへの参加を始め、今年で4回目の出展です。ボルボと言えば、最近では北欧家具のテイストを取り入れた質感の高いインテリアデザインが注目を集めていますが、伝統的に安全性を重視したクルマづくりが評価されているブランドです。そのボルボが展示していたドライブ用のケージ「ドッグボックス」は、日本ではあまり見ないアルミ製の頑丈な造りがとても印象的でした。
なんとクラッシュテストも行い、ドイツの試験認証機関である「テュフズード(TÜV SÜD)」の認証を取得しているとのことです。担当者によると、かなり重いケージだそうですが、ペットの安全を最優先した結果なのでしょう。シートベルトと同じ素材と思われるストラップでコンパクトSUV・XC40のラゲッジルームにがっちりと取り付けられ、安定性も充分でした。
一方、今年ペット用品事業を立ち上げたFCAジャパンは、今年のインターペットに初参加しました。比較的女性ユーザーが多いフィアットとSUVのジープ、2つのブランドで「もっと楽しいカーライフを」をテーマにペット用品を用意しています。
自動車会社の責任として、必要な安全面には配慮しつつも、フィアットでは日常的に手軽に使える利便性も重視しているそうです。脱着が容易で、使用しない時は折り畳んで収納が可能な、とても軽いケージがブースに展示されていました。もちろん、防水加工された素材にしっかりとした固定用ストラップやフックがつけられていて、小型犬であれば充分に安心してドライブに出かけられます。
このように、クルマ造りにおける考え方やブランド・ポジショニングの違いが、ペット用品の開発・選択にも明確に表れていることは、インターペット取材を通した新しい発見でした。
価値観がますます多様化する現代社会。大量生産の工業製品とはいえ、クルマの世界は色々な選択肢があって本当に楽しいですね。北欧スウェーデンの世界観とイタリアの気軽で楽しい雰囲気。それぞれのライフスタイルに合ったクルマを選ぶ楽しみは今後も健在ですね。
(Toru Ishikawa)