●レース戦略を多様化させる、Formula Eの「アタックモード」と「ファンブースト」
Formula Eシーズン5の第5戦、香港ePrixの開催がいよいよ来週に迫ってきました。
前回は いろんな意味でこれから「来る」レース、Formula Eを体感しよう! ということで、Formula Eの楽しさ、見どころをご紹介しましたが、今回はその中でも他のモータースポーツにはない独特の楽しみ方、「ファンブースト」についてもっと詳しくご紹介しようと思います。
ですがその前にひとつ、今シーズンからファンブーストと同じようにレース中に一時的にパワーを上げるシステムが導入されました。「アタックモード」と呼ばれるこのシステムは、通常200kwのモーター出力を一時的に225kwまで上げることができます。
ところがこのアタックモードは、アクティベーションゾーンと呼ばれるレーシングラインから外れたところにあるエリアを通過することによって使えるようになります。
「Formula Eってレース中にピットインして車乗り換えるんだよね?」という、Formula Eならではのシーンをご存知のかたもいらっしゃると思います。批判的な意見も多かったマシン乗り換えでしたが、GTとはまた違った面白さがあり、個人的には嫌いではなかったです。ところが今シーズンから採用された新しい車両「Gen2」は、昨シーズンまでの車両よりバッテリー容量が約2倍に増えたため、その乗り換えがなくなり、ピットインする必要がなくなってしまったんです。
アタックモードはそのピットインの代わりに、敢えてラインを外すことでタイムロスをさせて、レース戦略を楽しむためのシステムとして導入されました。このシステムはそういう意味もあって全車に使用が義務付けられています。