【フォルクスワーゲン・ポロTSI R-Line試乗】エコでパワフルなエンジンを積んだ本命グレード「TSI R-Line」の実力は?

●GTIに迫る熱い走りを楽しめる、大本命グレード「TSI R-Line」

走り出してすぐに感じる硬質な乗り味と、ボディがひと回り小さく感じる凝縮感など、ステアリングを握っていても、おそらく後席に座っても、「緩い」印象とは無関係。そんなフォルクスワーゲンらしさにあふれているのが、ポロの新グレード「TSI R-Line」への第一印象でした。

では、ほかのポロと変わらないのでは? というツッコミもありそう。先代の「Blue GT」の系譜を受け継ぐといえる「TSI R-Line」は、あの刺激的な走りまではいかなくても「GTI」に迫る熱い走りで楽しませてくれます。

わずかに1.2tを超える車両重量に150ps/250Nmのスペックは十分以上で、踏み込めば出だしから鋭い加速を容易に引き出せるだけでなく、回してもなかなかのパンチ力をみせてくれます。街中で流れに沿って走るのなら「エコ」で十分で、「スポーツ」にすれば容易にダッシュが可能。

以前お伝えしたように、同エンジンはフォルクスワーゲンの最新世代のガソリンエンジンで、気筒休止システムも備わりますが、気筒休止と復帰の様子を音や振動から察知することはできませんでした。

また、先述したように、215/45R17タイヤ(試乗車はコンチ・スポーツコンタクト)と専用シャーシによる足まわりは、かなり引き締まっていて、路面が少し荒れていると上下動の動きが大きく感じますが、ボディの剛性感が高いため、不快な印象はありません。むしろオン・ザ・レール感覚の正確無比なハンドリングが得られると考えれば、納得できる範囲。電子制御式ディファレンシャルロックの「XDS」が活躍するようなシーンはほとんどなかったはずですが、郊外の狭い山岳路でもスイスイとコーナーをクリアしていきましたから、縁の下の力持ちとして支えてくれていたのかもしれません。

そこまで不要というのであれば、15インチを履く「トレンドライン」「コンフォートライン」という選択肢も用意されています。それでも十分に日常ユースで許容できる足まわりですから、毎日の通勤や買い物、そして得意とするロングツーリングでも活躍してくれる相棒になりそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

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この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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