スバル初の3列シート車・ドミンゴは軽のボディで余裕の7人乗り【JCCAニューイヤーミーティング2019】

●乗ってみると意外と快適!? このサイズでなんと7人乗りのスバル・ドミンゴをチェック!

2019年1月27日、恒例のJCCAニューイヤーミーティング(日本クラシックカー協会主催)がお台場にて開催されました。実はこのイベント、今年がラスト開催ということで、いつも以上の盛況ぶりでした。

そんな臨海副都心のイベント会場で気になるモデルを見つけたので紹介します。それが、1983年10月登場のスバル・ドミンゴ4WD・GSグレード(現車は1986年式でマイナーチェンジ直前のモデル)。

このドミンゴは1982年登場のワンボックス軽自動車・4代目サンバーをベースにしています。

これに1L・3気筒エンジンを搭載し、フロントセクションの造形を大きく変えるほか、各部ディテールも専用設計としたモデルです。中でも一番の特徴は、サンバーが2列4名乗車だったことに対し、3列7人乗りのシートを備えたことでした。

実際に各部を見ていきましょう。フロントは角目2灯だったサンバーに対して4灯式のライトへと変更されています。

リヤに搭載されたエンジンを見るためにはちょっと面倒があります。2ヶ月前にこのドミンゴを購入したばかりのオーナー・船橋さんに、実際に操作してもらいながら手順を追っていきましょう。

まずはハッチゲートを開ける必要があります。

続いてバンパー上部中央にセットされているロックを解除し、前に引きつつ下方向にずらしていけば完了です。

エンジンは直列3気筒バランサー付のSOHCで、排気量は997cc。最高出力は56ps/5400rpm。最大トルクは8.5Kg・m/3200rpmというスペックでした。この数値を単体で見ると非力に思います。

が、ベースのサンバーは29psと4.4Kg・mでしたので、単純に倍となっていました。というわけで動力性能には余裕があります。

それでは気になる2列目と3列目シートの状況を見ていきましょう。2列目シートは3列目への移動スペースを確保するため、横幅を狭くされた2人掛けとなっています。

座ってみると想像以上の足元の余裕に驚きます。


また上方の空間はハイルーフ構造のため笑ってしまうほど広いです。

続いて3列目に移ります。この際、室内を立って移動しますが、やはりルーム高が大きく確保されているので足さばきはとても楽です。

そしていざ座ってみる3列目シートは、予想に反して窮屈さは全くありません。

足元空間も2列目ほどではありませんが確保されています。それに、窓枠が細いうえに上下方向にウィンドウが大きいため、室内が光であふれており、開放感があるのが快適さをアップさせています。

ベースとなったサンバーは全長3.2m・全幅1.4mと、現在の軽自動車よりも一回り以上小さいサイズに規定されていた時代のモデルです。そんな、数値上は小さく思える空間にこれほどたっぷりとしたスペースを構築できているのはとても驚きでした。

この「軽自動車サイズで実用7人乗り」というコンセプトは、現代に蘇らせたら案外、世界中で大ヒットしそうな気がします。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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