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●新東名高速道路の制限速度、110km/h区間→120km/hに!
・100km/hから110km/hに上げても事故への影響はなかった!
静岡新聞が「警察庁は3月1日から新東名の新静岡~森掛川間で制限速度120km/hに引き上げる方針を固めた」と報じた。関係者の情報と言うことながら、現在の110km/h制限は120km/h化に向けての試験的な運用だったことを考えれば当然かもしれない。実際、静岡新聞の取材に対し「車両同士の速度差によって発生した事故は無かった」と答えたようだ。警察庁の大英断だと思う!
何回か書いてきた通り最近話題の「あおり運転」は決して容認される行為では無いものの、95%くらいあおられた方がきっかけを作っている。繁華街でイカつい輩に突っかかるようなもの。突っかかられたからと暴力振るったら犯罪ながら、他人を怒らせることはしない方がいい。クルマの運転も同じで、追い越し車線を後続車より遅い速度で走っていればケンカ売ってるのと同じ。
実際、アメリカでもドイツでもフランスでもイギリスでもタイでもオーストラリアでも、追い越し車線をマイペースで走っていたらあおられる。なぜ海外で問題にならないかと言えば、追い越し車線に居座るマナー違反のドライバーが少ないからだ。我が国は世界有数のマナーの悪さだと思っていい。なぜこんなマナーが悪いのか? 100km/hという制限速度も要因の一つだと考える。
高速道路で一番「マナー悪いですね」と思うのが大型トラック同士の速度差少ない追い越し。ドライバーの気が短いのだろう。1~2km/hの速度差しかないのに追い越しを仕掛けるため、延々と追い越し車線を塞ぐ。大型トラックは速度リミッターが付いているため、乗用車より20km/h遅い。その間、乗用車のドライバーは辛抱しなければならない。怒る人だって居るだろう。
考えて頂きたい。大型トラックのドライバーは1~2km/h遅く走ることが我慢できなくて追い越しする。20km/hも奪われた乗用車のドライバーからすればたまらない。乗用車の制限速度が120km/hになると、40km/hもの速度差。これくらい違えば空気読めないドライバーだって「追い越し車線の通せんぼう走行はマナー違反かもしれない」と理解してくれるんじゃなかろうか。
・120km/h化は「自動車先進国の運転マナー」の第1歩
警察も免許更新の時などに「高速道路は走行車線を走ること。追いつかれたら譲ること」という啓蒙をしていくかもしれない。追い越し車線の居座り走行が無くなれば、当然ながらあおり運転だってしなくて済む。大型トラックでなく追い越し車線をマイペースで走り続ける乗用車も同じ。徐々に「追いつかれたら道を譲る」という当たり前のことが広まって行くと嬉しい。
今回の120km/h化は、自動車先進国として恥ずかしくない運転マナーを作り上げていく第1歩になると思う。久し振りに警察を高く評価します。出来れば全国の高速道路に120km/h区間や110km/h区間を広げていって欲しい。間違いなく交通マナーは良くなっていくだろう。
参考記事「あおり運転はあおられる側にも問題がある」
参考記事「上の記事に対する反発への回答」
(国沢光宏)