ネット上に僧侶が僧衣を着てパフォーマンスを行う動画が流行しているようです。
見ていて楽しいですが、これには単に技を披露して喜ばせたり自慢したいわけではないようです。
「僧侶が僧衣を着て自動車を運転していたら、交通違反とみなされた」との報道があり、それに対しての反応だったのです。
しかし、運転に支障が出て問題なのは、服裝以上に履物にも注意すべきと私は思います。
今回問題となった福井県の道路交通法施行細則によれば、
下駄、スリツパその他運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物または衣服を着用して車両を運転しないこと。
とされています。履物については具体例がありますが、衣服に具体例がありません。
また、宮崎県道路交通法施工細則 第12条によれば
「スリッパ、つっかけ、ハイヒールその他運転操作を妨げる恐れのある履物を履いて車両運転禁止」と書かれています。
つまり、とっさの時の運転操作でも脱げないように足がしっかり固定されているもので、ヒールの高さにも規定があります。
私も三栄書房の新車雑誌「すべてシリーズ」をはじめクルマ絡みの取材の時には、車の外観や後席などの場合はバランスがよく見えるヒール付きの靴、運転席まわりの撮影時にはフラットシューズに履き替えています。実は私が「すべてシリーズ」を始めた当初には靴の履き替えシステムはありませんでしたが、私が安全運転講習などでインストラクターを勤めるようになり安全性を考慮して導入しました。現在では「すべてシリーズ」はもちろん、ほかの自動車系雑誌でもモデル撮影には導入されていると思います。
ヒールの高い靴や下駄などはペダルに引っかかる危険もあるし、足に固定されていないと脱げてしまうこともあり、危険です。
さらに高いヒールだと、ヒールの後ろ側が擦れるので、靴が傷むということもあります。
また厚底靴では足裏での感覚が鈍くなり、車からのインフォメーションが伝わりにくくなって危険です。
僧侶の方が僧衣でも動きやすいことをアピールするためのパフォーマンス動画でも履物を履かずに足袋で踊っていますよね。
つまり、運転する際には運転しやすい靴に履き替えるべきなのです。車内に常に用意しておけば面倒ではありません。
もちろん私も普段から運転の際にはスニーカーやローヒールの靴などに履き替えています。
僧侶の皆さんにも、そのほかの皆さんにもおすすめします。
(吉田 由美)