目次
ディテール解説
独創的なフロントマスクを印象づける左右非対称のヘッドライト。DRL(デイタイム・ライディング・ライト)を含め、灯火類はすべてLED化されている。
ウインドスクリーンは軽快なショートタイプ。シティユースを考慮していることが装備からもわかるが、高速域ではコンパクトながら防風効果を発揮する。
6.5インチTFTカラーディスプレイには、バーグラフ式のタコメーター、そして速度が大きくデジタル表示され見やすい。ギヤ段数やライディングモード、時計、気温なども一目瞭然だ。
メーター画面では、車体のコンディションも目視で確認できる。写真の画面では、水温、航続可能距離、バッテリー電圧などを表示。インターフェイスの進化も目覚ましく、直感で操作できた。
フロントフォークはオーソドックスな成立式で、インナーチューブ径は41mm、ストローク量は170mmだ。ブレーキは2ピストンフローティングキャリパーと305mmディスクをデュアル装備する。
ボア84mm×ストローク77mmで、総排気量853ccの水冷DOHC4バルブ並列2気筒エンジン。逆回転の270度クランクを新採用し、シリンダー前後にカウンターバランサーを配した。ドライサンプながらオイルタンクをケース内に収め、コンパクトなパワーユニットに仕上げている。
「ギアシフトアシスタントPRO」の装備によって、発進と停車時以外はクラッチレバーを握る必要がなくなった。シフトダウンでは自動でブリッピングしてくれる。
22mm径のスチールハンドルをセット。ベース1,296,000円、スタンダード1,496,000円、プレミアムライン1,544,000円という設定だが、ヒートグリップはベースモデルから標準装備される。
巡航時にスロットル操作なしに速度維持する「クルーズコントロール」もスタンダードで標準搭載。20km/h以上で設定でき、セットしたまま設定速度を上げ下げすることもできる優れもの。操作に慣れると手放せない装備だ。
良好な足着き性を実現するダブルシート。ダブルテクスチャーで質感も高く、BMWらしくクッションも硬質なもの。ロングライドでもお尻が痛くならない。
ベースモデルから、シート下にETC2.0を標準装備するのもありがたい。プレミアムラインになると、センタースタンドやダイナミックESA、キーレスライドなどを採用する。
150mmのストローク量を持つリアショックは、リバウンドダンピングのアジャスターを装備。リンクレスでアルミキャスト製のスイングアームにマウントされる。最上級機種となるプレミアムラインではダイナミックESAを備え、フルオートで減衰力をコントロールしてくれる革新的な電子制御サスペンションとなった。
マフラーはアップタイプ。アルミキャストホイールは17インチで、ブレーキは265mmディスクと1ピストンフローティングキャリパーの組み合わせだ。スイングアームはアルミキャスト製で、軽量かつ高剛性を実現している。
スッキリとスリムになったテールセクション。1994年にデビューした「F650ファンデューロ」以来、燃料タンクをリアシート下に配備していたが、今回のモデルチェンジで一般的なフロントタンクへと改められたためだ。
BMW F750GS……1,296,000〜1,544,000円
■F750GS 主要諸元
エンジン型式:水冷4ストロークDOHC並列2気筒4バルブ、ドライサンプ
ボアxストローク:84mmx77mm
排気量:853 cc
最高出力:57kW(77PS)/7,500rpm
最大トルク:83Nm/6,000rpm
圧縮比12.7:1
点火/噴射制御:電子制御式
最高速度:190km/h
燃料消費率/WMTCモード値(クラス3)、1名乗車時:24.39km/L
燃料種類:無鉛プレミアムガソリン
オルタネーター:416W
バッテリー:12V/10Ah,メンテナンスフリー
クラッチ:湿式多板、アンチホッピング
ミッション:6速
駆動方式:チェーン式
フレーム:スチールシェル構造ブリッジフレーム
フロントサスペンション:テレスコピックフォーク(41mm径)
リアサスペンション:アルミキャストデュアルスイングアーム、調整式リバウンドダンピング
サスペンションストローク:フロント170mm/リア150mm
軸距(空車時):1,559mm
キャスター:104.5mm
ステアリングヘッド角度:63度
ホイール:アルミキャストホイール
リム:フロント2.50×19/リア4.25×17
タイヤ:フロント110/80R19、リア150/70R17
フロントブレーキ:フローティングダブルディスク、2ピストンフローティングキャリパー、305mm径
リアブレーキ:シングルディスク、265mm径、1ピストンフローティングキャリパー
ABS:BMW Motorrad ABS
全長:2,270 mm
全幅(ミラーを除く):850mm
全高(ミラーを除く):1,225mm
シート高、空車時:ベース815mm、Standard770mm、Premium Line815mm
車両重量:230 kg
許容車両総重量:446kg
最大積載荷重(標準装備時):216kg
燃料タンク容量:15L
リザーブ容量:約3.5L
レポート:青木タカオ(AOKI Takao)
写真:山田俊輔(YAMADA Shunsuke)