スーパーカブやジャイロにも! 雪道に強いバイクとスノーアイテムの○と× 【スノータイヤ&タイヤチェーン】

■雪でもバイクに乗りたい人がいる!

寒い冬。雪が積もったらバイクはお休み、なーんて考えているアナタ! 正解! 常識人です!

しかし世の中には雪が降ってもバイクに乗らなきゃいけないビジネスライダーや雪道を走って楽しみたいっていうバイク好きもいたりします。後者はともかく、前者のライダーのために、雪道を走るためのアイテムがしっかりと存在するのです。今回はそれらのアイテムがどんなものなのか、紹介していきましょう。

どんなバイクに使える?

スノーアイテムはビジネスユースのバイクに装着することが前提と考えてOK。働くバイクの王道をゆく下記車種のタイヤサイズなら、スノータイヤからタイヤチェーンまでラインナップは豊かです。

HONDA スーパーカブ&スーパーカブPRO

キング・オブ・ビジネスバイクと自他ともに認めるマシン。誰からも迷惑がられないそのデザインと排気音。スーパーカブとその音は日本の原風景のひとつとも言えます。スーパーカブ系は両足がべったりと地面に着くため、雪道など不安定な路面状態でもライダーの足とバイクの前後輪を合わせた四つ足走行が可能。2速で優しく発進することもできる万能マシンです。

 

【SPECIFICATIONS】
・スーパーカブ50 シート高:735mm タイヤサイズ(前・後):60/100-17・60/100-17
・スーパーカブ110 シート高:735mmタイヤサイズ(前・後):70/90-17・80/90-17
・スーパーカブ50プロ/110プロ シート高:740mmタイヤサイズ(前・後):70/100-14・80/100-14

YAMAHA ギア

ステップスルーのスクータータイプのビジネスバイク。小径タイヤに加えスーパーカブよりも低いシート高で取り回しは軽やか。シフトチェンジ不要で、誰にも扱いやすい1台です。

【SPECIFICATIONS】
シート高:715mm タイヤサイズ(前・後):90/90-12・110/90-10

HONDA ジャイロX

1982年の初代誕生から35年以上も走り続けてきたリヤ2輪のスリーター。どんな路面状況でもトラクション性能と安定感は抜群。前後チューブレスタイヤでパンク時の応急処置も簡単!

【SPECIFICATIONS】
シート高:735mm タイヤサイズ(前・後):90/100-10・130/70-8

スパイクタイヤ

1990年の「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」施行から30年弱。スパイクタイヤで一般道を走るクルマの姿はまったく見なくなりました。しかし実は125cc未満の原動機付自転車はこの法律の対象外であり、条例によっては一般道を走行可能な都道府県もあります。雪道はおろかアイスバーンでも走行可能なほどグリップしますが、むき出しのアスファルトの上に乗ったときのグリップ変化が顕著です。スパイクタイヤを自作して遊んでいるツワモノたちもいますが、それこそホントに自己責任なので要注意!

タイヤチェーン

昔から新聞配達や郵便屋さんの雪対策としてはコレが定番。ジャラジャラジャラジャラ騒々しいですが、とにかく前に進むことができます。ただし通常後輪にしか装着しないので、ブレーキは後輪を主体としましょう。ビジネスバイク以外にもオフロード車など様々なサイズがラインナップされています。前輪にもチェーンを装着し、雪山ワインディングを楽しむオフロード好きもいるといいます。雪道では頼りになりますが、舗装路でパワーをかけすぎるとチェーン自体が削れていき、最悪の場合は切れてしまうこともあります。舗装を走る場合は大人しく! なおチェーンを装着する場合はスイングアームやフェンダーなどに干渉しないように注意しましょう。

スノータイヤ

クルマのスタッドレスタイヤのように、通常の舗装路から雪道まで対応するタイヤ。チェーンを巻かずに雪道を走行可能です。ジャラジャラとうるさくもなく、乗り心地もいいのは嬉しい点。空回りするばかりのノーマルタイヤから比べると驚くほどグリップしますが、雪道であることは忘れてはいけません。ドライ路面+ノーマルタイヤのように車体をバンクさせると足元をすくわれることもあるので過信は禁物です。またドライ路面でも快適に走ることはできますが、性能は通常のロードタイヤに比べてどうしても劣ります。こちらも車体をバンクさせ過ぎないように気を付けましょう。クルマのスタッドレスのように、シーズン終了後も「履きっぱなし」なんてことはないように!

雪道走行はいつも以上に安全運転で!

いかがでしたでしょうか? これらの装備さえ整えればバイクで雪道を走ることが可能になります。ただし、雪道走行はタイヤを4つも持っているクルマにとってすら危険度が増す行為。ましてやバイクはドライ路面だって転んでしまう乗り物です。走行する場合は、ヘルメットはもちろんプロテクターなどの安全装備も身につけて、急な操作は行なわず、安全にはくれぐれも気をつかいましょう!

文:坂木 一(SAKAKI Hajime)