目次
■念願の「松前城の桜」など、さまざまな風景を満喫
2018年の旅の総まとめ、第2回は「行ってよかった日本の風景ベスト5」です。膨大な想い出の中から「ベスト5」に絞るのは、なかなか大変です。
【その1 北海道】
1年のうち約8ヶ月を旅生活してるとは言え、そのうち4ヶ月を北海道で過ごしました。毎度のことながら北海道ばかりになってしまうので、北海道内5ヶ所を<その1>として、ひとまとめに紹介しちゃいます。さすがに広大な北海道、枚挙にいとまがありません。
今年こそはと渡道を早めて、松前城の桜を初めて堪能しました。ゴールデンウィークを過ぎた頃だったので時季的には少し遅かったのですが、それでもまだ「これから咲く」品種があるほど多くの桜が植えられていて、早咲きから遅咲きまで1ヶ月は楽しめるように造られています。
道の駅【北前船 松前】から城下町を通って松前城公園まで徒歩約10分。松前城(資料館)は入館料 大人360円、小・中学生240円です。
海岸線に奇岩が多く、青い海と相まって最高のドライブを楽しませてくれるのが国道229号線『追分ソーランライン』。特に瀬棚〜寿都あたりがオススメです。寿都には風車群も建ち並んでおりフォトジェニックな風景が広がっています。
写真は、大成地区から海岸沿い道道740号線。海岸線の向こう、まだ雪を被っている山は狩場山ではないでしょうか。
積丹半島を走るなら足を延ばしていただきたいのが、こちらの神威岬。尾根沿いに遊歩道「チャレンカの道」(全長770m、強風時は立入禁止)が整備されています。透き通ったセルリアンブルーの海は「積丹ブルー」と称され、天気の好い日中は特に目を見張るほど鮮やかな色彩に感嘆します。
根室へは何度も訪れているのに今までスルーしていた、千島の砦オーロラタワー(旧称:望郷の塔)。高さ96mの展望台からは、納沙布岬を眼下に見下ろせ、遠くには北方領土も一望できます。入館料500円。展望台には無料の望遠鏡が設置されており、北方領土を間近に見る事ができます。
キャンピングカー旅生活13年目にして、ようやく、ようやく念願の利尻島・礼文島へ渡りました! 長年の苦悩の元だったキャンピングカー(全長7m未満)のフェリー乗船料は、稚内→礼文島29,090円+礼文島→利尻島9,370円+利尻島→稚内25,680円=合計64,140円でした。まさに清水の舞台から飛び降りる思い。
しかし飛び降りた先には楽園が待っていました。美しい景色、とびきりの海の幸、優しい島民の方々、旅人との交流などなど、間違いなく今年一番の想い出となりました。(写真は礼文島・澄海岬。ちなみに、この記事の1枚目の写真は利尻島です。)
【その2 山形県・山寺(立石寺)】
さて、ここから本州です。
閑(しず)かさや 岩にしみ入る蝉の声 ── 松尾芭蕉も詠んだ立石寺(りっしゃくじ)。寺伝では貞観2年(860)に清和天皇の勅命で円仁(慈覚大師)が開山したとされています。入山料は300円。1015段の石段、ひとつひとつ登ることによって欲望や穢れを消滅させ、明るく正しい人間になるといわれています。
写真は、慈覚大師円仁を祀る開山堂(右)と、この山内で最も古い建物である納経堂(左)。お堂の向こう側は断崖絶壁! 開山堂の右脇から、さらに上へ石段を登ると天空に突き出るように五大堂が建っています。
周囲の岩壁に空いた岩穴の石塔には亡くなった人のお骨が今も安置されているそうで、ここが霊場であることを改めて実感します。
【その3 宮城県・松島】
日本三景の一つであり、また国の特別名勝にも指定されている松島。今年は久しぶりに雄島(御島)を歩きました。
松島の海は実はあまり綺麗ではないし、埋め立てばかりで風情がないのが難点なのですが、雄島の周辺には今なお砂浜が少しばかり残っています。雄島は『霊場』としての雰囲気が色濃く、観光地として整備されているわけではないので訪れる人も少なめ。
余談ですが『松島』という地名の由来は、ここ雄島で見仏上人が12年間も修行した偉業を讃え、後鳥羽上皇から千本の松を贈られたことから「千松島」と呼ばれるようになり、それが転じて「松島」となったと伝えられています。
【その4 長野県・白馬】
こちらの【落倉自然園水芭蕉】には、全国でも珍しい「2枚のホウ(白い花びらのようなもの)」をもつ水芭蕉が咲いています。宝探しのように、よ〜く目を凝らすと見つかります。更には3枚のホウがある水芭蕉もあるそうです。
近隣の方々が、無料でお茶とお漬け物のサービスをしていたことにも感動しました。地域に愛されている証ですね。
同じく白馬、【貞麟寺(ていりんじ)】の枝垂桜とカタクリの群生も見事でした。これだけのカタクリが咲きそろっている様は、なかなか見応えがあります。
昨年は立ち入り規制がなかったのですが、今年はロープで歩道がきちんと分けられたのでカタクリも踏まれずにのびのびと育っているようでした。来年はもっと数が増えるかも知れませんね。
【その5 奥日光】
日光も毎年のように訪れるお気に入りの場所です。主に奥日光、中禅寺湖周辺を散策することが多く、今年は10月下旬に赤沼〜小田代ヶ原ハイキング、日光白根山トレッキングなど満喫しました。
例年なら12月ともなると冬期閉鎖もありうるのですが、小春日和が続いたお陰で12月5日に奥日光から金精峠(写真)を越えて群馬側へと降りることができました。紅葉シーズンだった10月下旬の光景と見比べることができて、菅沼〜丸沼付近のお店は軒並み冬期休業しておりガラーンとしていましたが、秋晴れのドライブはとても気持ちがよかったです。
山が好きなので、「行ってよかった日本の風景」というと、どうしても山の風景が多くなってしまいます。次回は風景の中でも「山岳」ベスト5をお送りします。
(松本しう周己)