【週刊クルマのミライ】スバル初のプラグインハイブリッドに漂うプリウス感。電動エアコンを採用か?

日本ではe-BOXERと呼ばれるマイルドハイブリッドが追加されたばかりの「SUBARU XV」ですが、海外では異なるアプローチでの電動化が進んでいます。「クロストレック」と呼ばれる北米仕様に、まもなくプラグインハイブリッド仕様が登場、ロサンゼルスオートショーにて世界初公開されます。

「Subaru StarDrive Technology」と名付けられた新しいハイブリッドシステムは、2つのモーターを使用するタイプ。ひとつは発電とエンジン始動に使われ、もう一つが駆動と回生ブレーキに用いられるという構成です。

典型的なストロングハイブリッドといえるもので、エンジンを使わずにEVとして17マイル(約27km)の走行が可能と発表されています。その外部充電可能なリチウムイオン電池の総電力量は8.8kWh。ラゲッジスペースの床下に搭載されるため荷室は若干の上げ底になってしまいますが、公開されているオフィシャルフォトで確認する限り、後席をたたんだ状態でも使えるようですし、それほど実用性をスポイルしているというわけではなさそうです。

さて、日本ではフォレスターやXVに採用されている「e-BOXER」はスバル独自開発のシステムですが、プラグインハイブリッドとして開発された「Subaru StarDrive Technology」はトヨタの技術協力あってのシステムと言われています。

たしかにリチウムイオン電池のスペックを見るとプリウスPHVと同等に見えますし、なによりシフトパターンが「P・R・N・D・B」となっているのはトヨタ系ハイブリッドとの共通性を感じさせます(通常のXVではBポジションがなく、Dから横にスライドしてMとなります)。

トヨタ系ハイブリッドの象徴といえるプリウスは、エンジン補機のすべてが電動化されていて、ベルトレスとなっていることが特徴ですが、プラグインハイブリッドのスバル・クロストレックにおいてもエンジンルームを映した画像ではエアコンやオルタネーターといった補機は見当たりません。ただし、透視図ではウォーターポンプがベルト駆動されているのが確認できます。

なお、スバルのプラグインハイブリッドが用いるエンジンはもちろん水平対向で、2.0リッター直噴仕様となっています。また、プラグインモデルらしく、充電中の空調も可能というのは電動エアコンを採用しているおかげでしょう。エンジンをかけないのでガレージ内でもプリ空調を利用できるのはメリットといえるでしょう。充電のタイマー設定なども含めて、それらをリモート操作できる機能が備わっているということです。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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