【三菱・トライトン試乗】日本人唯一の試乗で確かなクロカン性能と高いボディ剛性を実感

三菱の1トンピックアップ「トライトン」は、タイのレムチャバン工場で生産されるグローバルモデルです。東南アジアはもちろん、南米やロシアにも輸出され、さまざまなタフなシチュエーションで使われることになります。

タイのバンコク郊外で行われた発表会の直後には、特設コースでの試乗会が開催されました。

フラットダートのコースのほかにオフロードセクションを模した特設のスロープやキャンバー、モーグルなどにチャレンジするコースが用意されていて、それぞれに非常に感動的なフィーリングを確認できました。

最初に現れたのはまるで壁のようにそびえ立つスロープです。最初の角度は30度、その後45度となり頂上に向かいます。4WDを「4Lcc」にセットして、スロープに入っていくと何の不安もなしにスロープを上っていきます。

しかし目の前に見えるのは青い空だけです。冷静に考えればかなり怖い状況なのですが、ドライブフィールに不安はありません。

頂上で一旦停止をしてからヒルディセンドコントロールを使って下ります。下り勾配でブレーキペダルから足を離すには勇気がいりますが、離してしまえばあとは楽々です。

試乗コースは直線ですが、リアルワールドではこうした状況でステアリング操作が必要になるわけですから、ステアリング操作に集中できるヒルディセンドコントロールはやはりかなり有効です。

つづいて30度の傾斜角を持つキャンバー走行です。このコースも4Lccのままで走りました。ただし、走行モードはロックを選んでいます。

トライトンは4輪独立コントロールブレーキが作動して、駆動力を適正に配分しますが、ロックモードではその働きがもっとも積極的に働きます。空転したタイヤをブレーキで回転を抑えることで前に進みます。

おそらくほかのモードでも、最終的には前進しますが、ロックモードがもっとも効率よく進むのでしょう。

モーグルコースは2タイプ用意されていました。どちらも、サスペンションのストロークを感じること、限界を超えてタイヤが浮き上がった際のブレーキの4輪独立コントロールが効くこと、そして3輪接地状態でも高いボディ剛性を確保していることをを体感できるようになっています。

とくにボディ剛性の高さは素晴らしく、3輪接地状態でもボディはピシリともしませんでした。

(文/写真・諸星陽一)

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この記事の著者

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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