【SUPER GT2018】話題のModulo KENWOOD NSX GT3、最終戦もてぎをどう戦ったのか?

レース後に道上選手にお話をうかがうと「NSX GT3の構造上の問題なのではないかと思う。ブレーキがハードなツインリンクもてぎではブレーキの温度はかなり上がってしまうので上手い具合に風がブレーキに当たってくれないとフェード状態になってしまう」とのこと。

また「GT3マシンを使うレースでもSUPER GTは特殊なレースで、他のGT3レースはピレリなどのタイヤで統一されたコントロールタイヤ制なのですがSUPER GTはタイヤが選べるんです。グリップ力も格段に違うのでその分ブレーキにも負担がかかるんです」とも語っています。

「まだ来年の話はわからないですが、アップデートしたマシンを使うのであればこういった部分も販売元のM-TECHにフィードバックはするし、これまでも多くの部分をフィードバックしているので、次に出てくるEVOバージョンは改善されているといいですね」

ところでNSX GT3を1シーズン乗ってみての印象はどうだったのでしょうか?

「僕のイメージのNSXはもっとキビキビしたものだったのですが、実際はストレートスピードの速い安定志向のマシンだったと思います。コントロールタイヤにあわせた作りで、それをSUPER GTにあわせて行くのが苦労したところ」。やはり産みの苦しみのような苦労があったようです。

道上選手から見て、今年パートナーを組んだ大津弘樹選手どのような選手だったのでしょうか?

「若くて勢いもあるのでそのフィードバックはかなり役に立ちました。彼ももっと上を見て頑張っていこうという気迫に満ちていたので、今年の後半からは彼のおかげもあっていい成績も残せました。本当にいい選手になってくれたと思います」

大津選手から見て道上選手は?

「どんなクルマに乗っても一発であわせられるというか、とにかく引き出しが多いというのがスゴイところだと思います。NSX GT3に乗せてもらって、また私生活の部分でも本当に勉強させてもらっています」

来年のことについては「まだ決まっていない」と言いながらも「僕もより年上の方がまだまだドライバーとして乗っているので、僕も出来る限り乗り続けて行きたい」と語ったのが印象的だった道上選手。

来シーズンは今シーズンの経験やフィードバックによってもっと成長したマシンで快進撃をしていただくことを切に望みます。

(写真:松永和浩、高橋秀彰 文:松永和浩)

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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