【ベントレー・ベンテイガ試乗】さすがベントレーはドライバーズカーだと感じさせる乗り味。超快適な後席も印象的

ベントレー初のSUVであるベンテイガはじつはとても乗りやすいモデルでした。もちろん、そのボディサイズを除けばという条件が付きますが……。

ベンテイガV8に搭載されるエンジンは、4リットルのターボで、最高出力は550馬力、最大トルクは770Nmにも上ります。組み合わされるミッションは8速のATで、アクセルひと踏みで怒濤の加速を披露します。

驚くべきはそのスムーズさで、ためしにアクセルを床まで踏み込んでみたところ、レッドゾーンの始まる6800回転まであっという間に、そしてまったくストレスなく回り切ります。

5mオーバーの全長、約2mの全幅、そして1775mmと高い全高を持つクルマとしてはかなりしっかりしたハンドリングです。ステアリングを切り込んだ際にはタイヤが瞬時に反応し、クルマが動きます。大きく、車高が高いクルマはハンドリングを敏感にすると不安感が起きるものですが、そうしたことが起きずに挙動が安定したままシャープさを持っているのはさすがな味付けです。

今回は後席に乗って移動する機会も得ました。この後席はバツグンに快適なものでした。

SUVはラゲッジルームの拡大性を重視するため、後席はクッション、背もたれともに平板な形状としていることが多いのですが、ベンテイガではそうした形状とはせずにしっかりとサイドサポートが得られる形状を採用しています。

そのため、ラゲッジルームを拡大するために背もたれを前倒しにしても、フラットにはならないという面もありますが、後席に乗っても左右に振られることがなく、快適な乗り心地が得られます。2000万円のSUVですから、荷物より乗員を重視するのはあたり前です。いや、最近のSUVはセダン的要素が増えているので、こうした後席を持つクルマが増えてもいいのではないでしょうか。

(文/写真・諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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