31周目にカルロス・サインツJr(ルノー)がターン14でストップし、バーチャルセーフティカーが導入されます。
「入ろうか?」とハミルトンがチームに尋ねるも、そのままステイアウト。
34周目、猛プッシュするベッテルがターン1~2でリカルドをオーバーテイク! 3番手に浮上し、さらに39周目にはストレートからターン1の飛び込みでハミルトンをオーバーテイク!! 2番手まで順位を上げました。
最後の最後までチャンピオンを諦めないベッテルの走りに、胸が熱くなった瞬間でした。
メキシコ出身のセルジオ・ペレス(フォースインディア)はレース序盤に見せた素晴らしいバトルでファンを盛り上げましたが、39周目にスローダウン。ガレージに戻り、リタイアとなってしまいました……。これにはスタンド席から大きなため息が漏れます。
47周目、タイヤに苦しむハミルトンがターン1でタイヤをロックさせてオーバーラン。リカルドにポジションを譲ってしまい、たまらずピットイン。これを見てベッテルもピットに飛び込み、それぞれウルトラソフトタイヤに交換しました。
さらにその2周後、ボッタスがハミルトンと同じターン1でオーバーラン。ライコネンに抜かれ、慌ててピットに入ります。
同じく49周目にフェルスタッペンもピットインしメルセデス、フェラーリ勢とは違いスーパーソフトタイヤに履き替えました。
この時点の上位勢の順位は、首位フェルスタッペン、2番手リカルド、3番手ベッテル、4番手ライコネン、5番手ハミルトン、6番手ボッタスです。
61周目、リカルドのマシンから白煙が上がり、62周目のターン1でストップ。せっかくのポールポジションスタートだったにもかかわらず8回目、今シーズン最多のリタイアとなってしまいました。
これによりバーチャルセーフティカーが導入され、その間にボッタスが3度目のピットイン。ハイパーソフトタイヤに交換します。
スタートから確実な走りでフェルスタッペンが今シーズン2勝目、自身5度目の優勝! メキシコGPでは2年連続優勝となりました。
そしてベッテル2番手、ハミルトン4番手フィニッシュにより、ハミルトンが2018年のワールドチャンピオンに輝きました! 現役ドライバーでは最多の5回目となる快挙に、ドーナツターンをして喜びを爆発させます。
レース終了後、「不思議な気持ちです。まずはファンに感謝したいです。そして次はチームに感謝を言いたいです。家族にも感謝しています。父の努力がなければ、僕はここにいなかったわけですからね」と感慨深げに語るハミルトン。
インタビューが終わると走ってガレージに戻り、一人一人ハグして感謝の気持ちを伝えます。
ライバルとして戦い続けたベッテルは「簡単な日ではありませんでした。でもチームは素晴らしい仕事をしたと思います。ルイス(ハミルトン)におめでとうと言いたいです。もちろん、もう少しチャンピオン争いをしたかったですけど、我々は受け入れていかなければいけないですね」と語り、控室やポディウムで見せた悔しそうな表情が印象的でした。
そんなベッテルですが、レース後のある行動に涙がとまりませんでした。なんと、チャンピオンを逃し誰よりも悔しいはずなのに、メルセデスのガレージに行きチーム代表のトト・ウォルフやスタッフ達に「おめでとう」と言いに行っていたのです(涙)。
もし私がベッテルと同じ立場だったら絶対に同じことはできない……。さすが4度のワールドチャンピオンです。この模様はメルセデスのオフィシャルSNSやYouTubeに公開されているので、ぜひ皆さんにも見てもらいたい!
今年も手に汗握る戦いで私達ファンを楽しませてくれた、ハミルトンとベッテル。まだ残り2戦ありますが、一旦張りつめていたものを解いて、リラックスしてほしいなと心から思ったメキシコGPでした。
メキシコGPリザルトは以下の通りです(ポイント圏内のみ)。
順位/No./ドライバー/チーム
1/#33/マックス・フェルスタッペン/レッドブル
2/#5/セバスチャン・ベッテル/フェラーリ
3/#7/キミ・ライコネン/フェラーリ
4/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
5/#77/バルテリ・ボッタス/メルセデス
6/#27/ニコ・ヒュルケンベルグ/ルノー
7/#16/シャルル・ルクレール/ザウバー
8/#2/ストフェル・バンドーン/マクラーレン
9/#9/マーカス・エリクソン/ザウバー
10/#10/ピエール・ガスリー/トロロッソ
(yuri)