日立製作所が、カーナビゲーションシステムなどを手掛ける子会社「クラリオン」の売却に向けて動いているそうです。
新聞報道等によると、同社が保有するクラリオン株(63%)の50%以上をフランスの自動車部品大手フォルシアに譲渡する模様で、売却額は800億円規模になるようです。
クラリオンは2006年に日立傘下に入り、日産自動車やマツダなどへカーナビを供給していますが、スマートフォンの普及により需要が伸び悩み、2018年9月期の純利益が前年同期比−85%減の3億円に落ち込むなど、業績が低迷。
今回の売却は日立が進める事業整理の一環で、同社は低収益部門の売却により国内外のグループ会社を約900社から500社程度にまで整理・統合し、2021年度に連結ベースの営業利益率を10%まで高める計画のようです。
フォルシアはFCV(燃料電池車)やPHV用バッテリーなど、次世代自動車の技術開発を進めており、日本の自動車大手との提携を加速する狙いがあるとみられ、今回のクラリオンの買収により日本市場への浸透を目指す模様。
カーナビ業界では低価格競争の激化や、自動運転技術の開発などで再編が進んでおり、今後もこうした動きが活発化する可能性が有りそうです。
(Avanti Yasunori・画像:Clarion)
【関連リンク】