2018年10月19日、Lynk & Coが第3番目のモデルであり新型セダン「03」のテストドライブを含めたグローバルローンチイベントの場として選ばれたのは、富士スピードウェイ。
同イベントには中国から300人のメディアのほか、日本メディアも招待されていました。こうしたローンチイベントの開催も従来の自動車メーカーとは異なる手法といえますし、欧州やアメリカでは、クルマよりも先に関連アイテムを発売してから、クルマを売り出す計画としています。
「Lynk & Co International AB(エグゼクティブ・バイスプレジデント)」のアラン・フィッセル氏によると、日本での販売予定は未定にも関わらず、日本を「03」モデルのお披露目の場として選んだのは「東京という大都市で皆さん(日本のメディアを含めて)を驚かせたかったから」だそう。また、モータースポーツ(WTCR)参戦を表明したこともあり、富士スピードウェイを選んだとしています。
アラン・フィッセル氏は、フォードを経て、ボルボでマーケティング・セールス&カスタマー・サービス上級副社長に就任。さらに、ゼネラルモーターズ(GM)で、オペル/ボクスホールのマーケティング、アフターセールスのバイスプレジデントを務めるなど、マーケティングのスペシャリスト。
「Lynk & Co」の社名の由来については「CoをCorporationの略では?」などと分析するネット上での記事を見かけるそうですが、「とくに込められた意味はなく、ファッションブランドのようなイメージで付けた」としています。
Lynk & Coは、第1モデルである「01」を2017年に初めて発売。2分強で6000台強を売ったことで話題になったそう。中国では、20〜25%がインターネットで販売されていて、欧州では2020年から、アメリカでは2021年から販売を開始。
日本での発売は未定ではあるものの、参入する意図はあり、少なくても欧州(あるいはアメリカの)の後になる模様。世界での販売方法は、従来の販売方法(販売店やインターネット販売)だけでなく、サブスクリプションも視野に入れているそうです。さらに、カーシェアリング、コネクティッド、プラグインハイブリッド(電動化)といったキーワードにもすべて対応。
Lynk & Coの開発拠点はスウェーデンにあり、約2500人のエンジニアのうち、中国人は少なく、ボルボをはじめ、サーブやオペル出身者がいるそうです。
なお、現時点での生産は中国の専用ライン(ボルボ車との混流生産ではない)で行われています。中国での発売以来、累計販売台数は13〜15万台くらいで、現在は月に1万5000台前後とのことです。
(文/写真 塚田勝弘)