Pro-GT-R国内最速DRAGマシン「SAURUS・Kamaishi-R」、タイのDRAG専用コースで本格チャレンジへ!

【いまだ破られていないPro-GT-R「7.905秒」】

2014年9月15日、宮城県・仙台ハイランドDRAGレースウェイにて、Pro-GT-Rクラス最速となる「7.905秒!」という驚異のタイムが記録されました。マシンはR32・GT-R。製作したのは埼玉県狭山市・ガレージザウルス、ドライバーはオーナーである岩手県盛岡市在住の釜石明彦さんです。

DRAG(ドラッグ)レースとは、スタートから1/4マイル(約402m)を誰が一番早く走り抜けるかを競う、アメリカ発祥のモータースポーツです。

この日行われたのはAMKREAD DRAG大会。そして、仙台ハイランド・DRAGレースウェイのラストラン(最終営業日)でした。

仙台ハイランドDRAGレースウェイは2011年3月11日の東日本大震災でコースは大損傷を受けてしまいました。復活は望み薄と思われたのですが、日本中の熱きDRAGERたちが集結。まさに人海戦術のボランティア活動により2013年にはコースも一度は復活を遂げたものの…仙台ハイランド自体の事業撤退により、この日を境にその幕は閉じたのです。

仙台のDRAGレースウェイが消滅したということは、日本にDRAG専用コースが無くなったということなのです。

兵庫・セントラルサーキットや熊本・オートポリス、北海道・十勝スピードウェイなどでは、ストレート部分を使ってきっちり1/4マイル(約402m)を走れるものの、設備や路面など含め「DRAG専用コース」ではありません。北海道の各所にあるミニ飛行場を使用してのDRAG大会も行われてはいるのですが、今はそのほとんどがマナー・騒音等のために使用不可の場所が多くなっているのが実状なのです。

9秒台、8秒台で走るマシンにとってはやはり、サーキットのストレート部分やミニ飛行場で走るのと「DRAG専用コース」で走るのとでは気分も違うというものですよね。

【SAURUS・Kamaishi-R号、タイDRAG専用コースでの本格チャレンジを決意!】

国内最速のDRAG-Rオーナー&ドライバー・釜石さんとチューンを手掛けるSAURUS林とっくりさんは、徐々に話を進めてきた計画を実行に移すといいます。

日本トップクラスのGT-RチューナーであるSAURUS林さんが「人生で最後のチャレンジになるかも」というほど、国内最速を記録するまでに育て上げてきたKamaishi-R号をさらにビッグモディファイし、タイへ移送。今、DRAGレースが熱いタイでの記録チャレンジに挑むというのです。

【目標は7.500秒! R32GT-Rの可能性への挑戦】

実は2018年5月、栃木・ツインリンクもてぎ・ Super Speedway(オーバルコース)のストレート部分を使って行われる「トラゼロ(0-1000フィート計測会)」参加時に、コンロッドの疲労(多分)からのエンジン全損に陥ってしまったのです(※この日のビデオオプション動画を文末に掲載していますので、ぜひご覧ください。ただしブロー直前までデス!)。

2018年10月現在、ブローからの復帰に向けて全力で動いています。考えられるすべてのワザを使って作るスペシャルヘッドに、SAURUSでは初めてとなるビレットブロックも使用します。クランクも75.7→77.7のスペシャル仕様、コンロッドもI断面へと変更されます。

また、タービンは今まで同様のトラスト製TD06-25G改ツインのスペシャル仕様をさらにスペシャルに、1基650ps対応とします。EXマニホールドやウエイストゲートも変更され、今回はボンネットからの排気となる予定です。

タイヤも特注スペシャルです! SAURUSがオーダーしたHoosier(フージャー)製は、すでにテストが行われ、確かな手ごたえがあるとのこと。

ただし、この「Kamaishi-R」はあくまでもオーナーカーであり、SAURUSのデモカーではありません。予算だって限りがあります。その中で、釜石さんと林さん、メカニックさんたちとミーティングを重ね、ドライビングスキルとも見合った(物凄いテクニックあり!)出来うる限りのモディファイが続けられるのです。

ステージはタイ・DRAGアベニュー(他、タイ国内を転戦かも?)。2019年、いよいよ本格復帰のKamaishi-R、次の狙いは「7.500秒台!」。

※この記事は、web optionから転記し、加筆・動画を追加し掲載しています。

web option編集部

文:永光やすの/写真:永光やすの・ガレージザウルス/動画:VIDEO OPTION CHANNEL

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この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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