【日産・リーフNISMO試乗】リーフのプロパイロットに感じた不満とは?

[リーフNISMOのあと一歩③]プロパイロット使用時の欠如した直進感

個人的に残念なのが「プロパイロット使用時の直進性を良く感じられない」という点。決して、プロパイロットによる運転支援に反対しているわけではありません。

しかし、プロパイロット使用時は、車線中央を走るためにステアリングホイールが左右にちょろちょろと調節させられます。そのため、クルマはまっすぐに走っているのですが「直進感」を感じにくいのです。

「リーフNISMOは、タイヤグリップが増大し、左右進路の乱れも減り直進性は上がる」と期待していたのですが、ノーマルのリーフでも感じた「ステアリングの余計すぎる動き」が払しょくされることがなく、残念でした。

筆者の場合、ステアリングのアシストはOFFにしてプロパイロットを使うのが、疲れが少なく移動ができると感じました。

ただし、同時期に試乗したエクストレイルHYBRIDのプロパイロットの直進感が高かったことを考慮すると、ベースのシャシー性能の差にあるのかも知れません。

「NISMO仕様に約50万円プラスの価値があるか?」という問いに対しては、私は「ある」と考えます。なぜなら「NISMOの世界観はNISMO仕様でしか味わえないから」です。

エアロやホイールタイヤなど、パーツを買ってチューニングを入れていけば、スペック上はリーフNISMOに追いつくとは思いますが「NISMOに乗ってみたい」といった欲は、所有しないと満たされることはないでしょう。

リセールバリューが極端に下がりやすいことが、先代リーフ(ZE0)で分かり、二の足を踏むかもしれませんが、「レアなリーフNISMOを一時期でも所有したい!」といった「冒険心」を大切にするのもいいかもしれないな、と私は考えます。

(文/写真:吉川賢一)

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この記事の著者

Kenichi.Yoshikawa 近影

Kenichi.Yoshikawa

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイラインやフーガ等のFR高級車の開発に従事。車の「本音と建前」を情報発信し、「自動車業界へ貢献していきたい」と考え、2016年に独立を決意。
現在は、車に関する「面白くて興味深い」記事作成や、「エンジニア視点での本音の車評価」の動画作成もこなしながら、モータージャーナリストへのキャリアを目指している。
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