【三菱・アウトランダーPHEV試乗】各部のリフレッシュで走りが一気にグレードアップ

マイナーチェンジされたアウトランダーPHEVは、ハンドリングに影響するさまざまな部分も変更を受けています。

まず、走りの質に大きく影響するボディは構造用接着剤を多用して剛性をアップしています。こうしたうえで、ノーマルタイプのショックアブソーバーの容量を向上、ステアリングギヤ比をクイックなものとしています。60km/h・30度くらいの切れ角のコーナーで、新旧でこぶし半分程度の切れ角に差があります。転舵した瞬間の動きにもシャープさが増していました。

アウトランダーPHEVは前後にモーターを備えた4WD方式です。今回のマイナーチェンジで従来のノーマル、ロックの2モードに加えて、スポーツ、スノーの2モードが加わり、全4モードの走行モードが選べるようになりました。

スポーツモードのときはつねにエンジンが作動していてすぐにモーター駆動に対するアシストが行えるほか、強化されたリヤモーターが強く働くようになりました。

スポーツモードで走っていると力強い加速を得られるだけでなく、コーナーリング時のスムーズさが増しています。スポーツモードでは駆動力配分がリヤよりになっているので、コーナリング時にフロントタイヤの受け持つグリップをコーナリングに多く使えます。この効果が素直に現れていて、コーナーのスムーズさが向上しているのでしょう。

今回のマイナーチェンジではノーマルタイプのショックアブソーバー(KYB)の容量アップが行われたのですが、このショックのフィーリングがかなり良いです。足まわりはしっかりと動きながらも、グッと踏ん張るような動きを示します。細かい振動などもしっかりと吸収してくれる部分がとくにいいフィーリングです。

従来モデルだとビルシュタインダンパーのほうがいいフィーリングを示したのですが、今回はこちらのノーマルのKYBダンパーのほうがいいフィーリングでした。

(文/諸星陽一 写真/前田恵介)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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