「乗り心地がいいよね、このクルマ」RQの太田麻美さんが、メガーヌR.S.の助手席で感じたのは?【注目モデルとドライブデート!? Vol.05】

コーナリングはとにかくハンドル操作に忠実だ。後輪操舵を採用しているとか、「ダブル アクシス ストラット サスペンション」という凝ったフロントサスペンションを搭載しているとか、理由はいろいろある。

だけどそういう事ではなくて、ドライバーの感覚を裏切らない曲がり方をするのが見事だと思う。いい素材に奢ることなく、それをしっかりと生かした味付けだってことがよくわかる。

驚くほどシャープに切り込んでドライバーのハンドル操作に応じてグイグイ曲がっているのに、接地性が高くて安定感が抜群にいいことに驚かされる。両者は相反するようでいて、実は密接に関係している。昔と違ってコーナリング限界の高まった今のFF車は後輪のグリップレベルが高くないとしっかり曲がるハンドリングが作れないが、そのバランスが素晴らしい。運転していると曲がるのが楽しすぎて、直線になるのが残念なくらいだ。

もうひとつ感じたのは、癖のなさ。試しにスタビリティコントロールをオフにして、旋回中にわざと乱暴なアクセルワークをしてみた。普通はハイパワーエンジンを積んだFF車で旋回中にアクセルを踏み込むと、走行ラインが外側へ向かっていくもの。しかしメガーヌR.S.ではハンドリングへの影響がほとんどなく、コーナリングラインが安定していたのだ。なんという素晴らしい調教なのだろうか。

……と、つい運転好きとしては走りを楽しみたくなるのだが、今日はそんな気持ちをグッと堪えて彼女とのドライブを堪能しよう。

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
続きを見る
閉じる