【ルノー・メガーヌRS試乗】トップドライバー2名と夢の同乗走行。どこまでもグリップする魔法のシャシーに感動

試乗車は2台用意され、2名のドライバーのドライブを体験するという方式でした。まずはフィリップ・メリメ氏のドライブにより解説を受けながらコースを回ります。メリメ氏はコーナーに入るとき、コーナリング中、脱出時にクルマがどういう状態であるかを説明しながらていねいなドライビングを披露してくれました。ポイントはステアリング舵角がいかに少なくてロールが少ないかということでした。

かなりのハイペースでのドライビングだったのですが、余裕を持って解説しながらのドライビングです。普通に考えればステアリングを持ちかえる必要もあるような回り込んだコーナーでもメガーヌRSは最大舵角が約90度のステアリング操作でコーナーを抜けて行きます。その際のロール感の少なさもビックリするくらいに少ないものです。

さて、クルマを乗り換えます。ドライバーはニュルのレコードドライバーであるロラン・ウルゴン氏です。今度は解説はほとんどなしで、全開走行となります。路面はウエット……お楽しみの始まりです。

全開加速からの下り右コーナーへ飛び込んでいきます。まるで張り付くような感覚でグリップするコーナリングは魔法のようです。ウルゴン氏は以前から知った存在で、彼のドライビングテクニックはもちろん、その正確さ、解析能力の高さなどは十分に理解しています。

このスピードで突っ込んだら怖いよな……という速度でコーナーに入っていくのですが、ステアリングを切った瞬間にその考えが間違っていたことがわかります。とにかく安定しているのです。どこまでもグリップしていく感覚はいままで味わったことがない異次元のものでした。

ロール感がほとんどなく、ゴーカートのようなコーナリングなのですが、乗り心地が悪いわけではありません。これが驚きの部分でした。試乗コースにはダブルレーンチェンジも含まれていましたが、その際の安定性も高く、安定していました。

感動の同乗試乗から1週間。次は自分でドライブする機会を得ることになります。

(文/諸星陽一 写真/Izm・小宮岩男)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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