【ラウンド・オブ・8】
・ヒート8 室屋 義秀 VS カービィ・チャンブリス
室屋選手は昨年最終戦を彷彿とさせる驚速の51.643を叩き出した。チャンブリス選手も52.452と健闘したが、敗退。…と思われたが、飛行後に室屋選手のオーバーRPM(エンジン回転数違反)が確認され、まさかの失格となり、チャンブリス選手が勝ち上がった。室屋選手、飛行ではノーペナルティ―だっただけに無念の結果となった。
・ヒート9 フランソワ・ル・ボット VS マイケル・グーリアン
ル・ボット選手は53.140と前ラウンドと遜色ないタイムを記録する。しかし、後攻グーリアン選手は52.262と更にタイムを短縮し、今回もファイナル4へと勝ち進む。
・ヒート10 ファン・ベラルデ VS マット・ホール
ファステストルーザーとして敗者復活したベラルデ選手は、52.657と予選タイムを短縮する。前ラウンドで最速のホール選手はインコレクトレベルのペナルティ(+2秒)を受け、54.940でまさかの敗退。
・ヒート11 ベン・マーフィー VS マルティン・ソンカ
マーフィー選手は52.809の好タイムを記録したが、ソンカ選手は52.009と公式最速タイムを記録し、連勝に向けて勝ち上がる。
【ファイナル4】
ファイナル4は勝ち上がり順に飛行する。後半に飛ぶ方がラウンド・オブ8を飛行してからのインターバルが短くなるため、不利といわれる。
チャンブリス選手、52.304 敗退が取り消されて急遽の飛行だが、ここで更にタイム短縮した。
グーリアン選手、52.238 0.064差でチャンブリス選手をかわしてトップに立つ。
ベラルデ選手、52.686 充分に速いが、前の2人を上まわれず。初優勝は持ち越しとなった。
ソンカ選手、最終飛行で52.123でグーリアン選手を逆転!優勝を掴み取った。
今回の結果により、ランキングトップはグーリアン選手(55pt)、2位はソンカ選手(49pt)、3位ホール選手(49pt)となった。室屋選手は5位のままだが、3ptを加え22ptとなった。グーリアン選手とのポイント差は27ptとなった。
残り3レース全てで優勝すれば+45ポイントを加算して69ポイントに辿り着く。しかし、昨年2位の70ポイントにはもう届かない。一方のグーリアン選手はあと15ポイント獲得で70ポイントに到達し、マジック点灯…という状態となっている。
客観的にチャンピオンシップ争いはグーリアン・ソンカ・ホールの3選手に絞られつつある。室屋選手は残りレースで毎回上位3人のうちの誰かをラウンド・オブ・14で直接下せば、奇跡の再現が可能かもしれない。
今回失格とはなったが、ここ数戦の懸案であったGコントロールを克服し、速さが甦った室屋選手。現チャンピオンとして残り3戦全ての優勝を狙い、タイトル争いを掻き回して欲しい。
次戦はオーストラリアのウィーナー・ノイシュタットで9/15,16に開催される。初開催地で今シーズン初めてレーストラックが陸上に設定される。カザンとは異なるレイアウトでテクニカルなコースが予定されている様だ。
(川崎BASE・Photo:Predrag Vuckovic/Joerg Mitter/Mihai Stetcu/Andreas Schaad/Red Bull Content Pool)