今後の電動車両普及に伴い、高出力充電器へのニーズ増加が予想されています。8月22日、日本独自のEV用充電器規格「CHAdeMO(チャデモ)」を推進するチャデモ協議会が、中国の「中国電力企業連合会」と協力して2020年頃をめどに、次世代の急速充電技術に関する世界標準作りを目指すことで合意したそうです。
急速充電器は世界中で増えつつあるものの、日本や欧米、中国でそれぞれ独自の規格が存在しており、自動車メーカーなどでは規格の統一が喫緊の課題となっています。
急速充電器にはCHAdeMOのほか、「GB/T(中国)」「COMBO(欧米)」などの規格が存在しており、設置台数は中国のGB/Tが圧倒的に多い状況。
環境規制が世界的に厳しさを増すなか、急速充電器の設置数で9割超のシェアを持つ中国と日本が充電器の規格を統一、世界標準作りを目指すことで、日本車メーカーにとってEV開発の追い風になることが期待されます。ちなみに普通充電器の場合、30分〜1時間の充電で約10km走行できるのに対し、急速充電器なら5分程度の充電で約40km走行可能で、多くは高速道路のSAなどに設置されています。
新聞報道などによると、日中が目指す次世代の急速充電技器の目標出力は現状の急速充電器の約10倍以上を想定しているそうで、日本側は技術やノウハウの提供を主に担うことになるようです。
本活動は経済産業省の重点取り組み分野の一つである「電動化政策に関する国際協調強化によるインフラや制度環境の適切な整備の促進」に沿ったもので、日中両国政府からの支援を得ているそうです。
日本と中国は8月28日に北京で共同開発着手に向けた覚書の調印を予定。IEA(国際エネルギー機関)は2030年にEV/PHVの世界販売台数が2,150万台規模になるとみており、急速充電器の設置拡大が不可欠なだけに、日中による世界標準作りに対する今後の欧米の出方が注目されます。
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【関連リンク】
CHAdeMO協議会
https://www.chademo.com/ja/