【トヨタ・カローラスポーツ試乗】カローラ一族に里帰りしたハッチバック。ベーシックな良さはそのままにコネクティッドを充実

カローラの新しいモデルとして5ドアハッチバックスタイルの「カローラスポーツ」が追加されました。事前試乗の際は「カローラハッチバック(仮名)」として乗ったモデルです。このカローラスポーツ、実質的にはオーリスの後継車、つまりフルモデルチェンジとなります。

カローラスポーツに搭載されるパワーユニットは1.2リットルの直列4気筒ターボと1.8リットル直列4気筒+モーターのハイブリッドの2種です。組み合わされるミッションはいずれもCVTとなります。

1.2リットルターボエンジンの最高出力は116馬力、発生回転数は5200〜5600回転です。このエンジンがなかなか面白いのです。116馬力という一見力不足に感じるかもしれませんが、これが使い切るという感覚にあふれていて非常に若々しいのです。持てる力をすべて出し切りながら一生懸命と走り、それでいてどでかいパワーを出し抜いてしまうような可能性はまさに若々しいクルマです。

ハイブリッドはエンジンが98馬力、モーターが72馬力の出力で、1.2ターボのようなキビキビしたエンジン特性ではありません。コンパクトなハッチバックをゆったりと乗りたい、という方にはマッチングするでしょう。

足まわりはよく動いてグリップしていくタイプです。フロントのサスペンションはストラット、リヤはダブルウィッシュボーンとなります。ちょっと前まで、FF車のリヤサスはトーションバーに代表される固定式が主流でしたが、ここにきてリヤサスへの独立式サスペンションの採用例が増えてきたように感じます。

リヤサスの独立化はプラットフォームの進化が大きな理由だと思いますが、リヤを独立懸架としたことによってよく動きつつグリップするリヤタイヤを手に入れています。前後ともによく動くことで、乗り心地はよくなり、プラットフォームの進化でリヤがロールしてもしっかりと安定する剛性を確保しました。

さらに、今回はリニアソレノイド式AVSと呼ばれる可変ダンパーを用いたことで、適正な減衰力が発生し路面を確実につかんでいきます。

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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