【GT-Rニスモ NアタックパッケージAキット装着車試乗】クルム選手が自ら仕上げたGT-Rで圧巻のハイスピードドライブを披露

コースに合わせたサスにノーマルのタイヤ…ですが、600馬力をオーバーするエンジンを積むGT-Rはとんでもない化け物です。とてもじゃないけど全開で走ることなどできません。いえいえ、レッドゾーンは7000回転から始まりますが、ここまで回せるのはせいぜい2速までです。それでも恐ろしく速いのです。

コーナリングはガッシリと路面をつかむタイプのものでよく曲がる。そしてものすごい脱出加速は言うまでもありません。

そこで、ミハエル・クルム選手にステアリングを握ってもらい、私は助手席に同乗となりました。走り出した瞬間からその速さに圧倒されます。シートにたたきつけられるような加速感に加えて、コーナリング時にかかる横Gは恐ろしいほどのもの。

さらにびっくりさせられるのはコーナー進入時のブレーキングの強烈さ。シートベルトが身体に食い込むそのストッピングパワーはタイヤから爪が飛び出たかのような感覚です。

場所によっては180km/h程度は出ている、イヤもしかしたらもっと速いかも知れません。

「ココハセマイヨー。ダカラアンマリスピードダセナイヨー」と言いながら、ガンガン踏んでガンガン攻めまくります。コース幅をめいっぱい使って走るそのテクニックに感動しますが、それを正確に受け止めるGT-Rもまたすごいポテンシャルです。

GT-Rの異次元のハイポテンシャルを、さらに高めたGT-Rニスモ NアタックパッケージAキット装着車はまさに雲の上の存在と言えるモデルでした。

(文/諸星陽一 写真/小林和久、ウナ丼)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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