【GT-Rニスモ NアタックパッケージAキット装着車試乗】クルム選手が自ら仕上げたGT-Rで圧巻のハイスピードドライブを披露

日本が誇るハイパフォーマンスマシンである日産GT-R。サーキットで走るために生まれたこのマシンのなかでもさらにポテンシャルが高いモデルがGT-Rニスモです。

ロードモデルのなかにもニスモが手がけたトラックエディションが存在していますが、GT-Rニスモはエアロパーツをはじめとしてさまざまなパーツが専用で、まさにサーキットを走るために生まれて来たモデルと言えます。

スタンダードでも十分にハイポテンシャルなGT-Rニスモをベースに、さらにポテンシャルアップを図ったモデルが今回試乗したGT-Rニスモ NアタックパッケージAキット装着車です。

Nアタックとはニュルブルクリンクアタックのことを意味します。日産&ニスモは2013年にニュルブルクリンクにGT-Rニスモを持ち込み、当時の市販車最速であるラップ7分08秒679を記録しています。このタイムを記録したときのパーツを市販化したのが NアタックパッケージAキットです。このGT-Rのセッティングにはレーシングドライバーのミハエル・クルム選手が担当していて、今回の試乗会にもゲストドライバーとして参加していました。

NアタックパッケージAキットの内容は次の通りです。

エンジン関係では、カーボン製のインタークーラーパイピング、ECM。駆動系ではフロント用の1.5ウェイLSD、リヤ用2ウェイLSD、足まわりではオーリンズ製の車高&減衰力調整式ショック&スプリング、ロール剛性可変式スタビライザーを装着します。

エアロパーツも変更されていて、ゴム製のフロントアドオンスポイラー、高さ調整機能付き(2段階)、角度調整機能付き(12段階)のカーボンリヤウイングを装備。さらにレス化したリヤシートを覆うキルティングクロスマット、ドライカーボン製のカーボンリヤバルクヘッドを装備。シートはレカロ製、カーボンシェルタイプのフルバケットとなっています。

ちなみにベースモデルのGT-Rの車両本体価格が1877万5800円、NアタックパッケージAキットは工賃込みで900万円というメニューです。

 

ニュルブルクリンクアタック時と同じパーツが装着されていますが、セッティングは少し異なり、サスは群馬サイクルスポーツセンターとのマッチングを考えて硬めのスプリングと柔らかめダンパーとしているほか、タイヤもニュルで使ったものとは異なりノーマルのGT-Rで使っているものが装着されていました。

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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