【週刊クルマのミライ】実はできる子。日本では地味な「シルフィ」、日産グローバル販売の柱

グローバルに売れているということは、それだけ開発費をかけることができます。日本では地味な存在ですが、その素性は高いレベルにあるはずです。

実際、試乗コースを走ってみると、ステアリング操作に対する反応が十分にリニアで、プラットフォームのレベルでお金がかかっている感はあります。もちろん、ファミリーセダンですからスポーティというわけではないのですが。

ただし、最高出力96kWの1.8リッターエンジンとCVTの組み合わせによるパワートレインの印象は違います。ひと世代前の、全体にスローで、操作に対してフィルターがかかったかのようなフィーリングは、たしかに日本市場のニーズにはあっているのかもしれませんが、最近のトレンドからすると古さを感じさせます。

せっかくのシャシー性能を活かすには、ダイレクト感のあるパワートレイン、たとえば「e-POWER」などを積んだ仕様が出てくると、シルフィが再評価されるかもしれません。

世界的なムーブメントである電動化に対応してe-POWER仕様の開発費を確保することができれば、シルフィは大化けするかもしれません。もっとも、シルフィが日本市場でも光輝くためにはエマージェンシーブレーキなどの先進安全機能を装備することが最優先なのも事実でしょうけれど……。

●日産シルフィ Sツーリング主要スペック
車両型式:DBA-TB17
全長:4675mm
全幅:1760mm
全高:1495mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1240kg
乗車定員:5名
エンジン型式:MRA8DE
エンジン形式:直列4気筒DOHC
総排気量:1798cc
最高出力:96kW(131PS)/6000rpm
最大トルク:174Nm(17.7kg-m)/3600rpm
変速装置:CVT
タイヤサイズ:195/60R16
メーカー希望小売価格(税込):2,458,080円

(写真と文 山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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