【新型カローラ スポーツ試乗】トヨタ・カローラ スポーツとVW・ゴルフの走りの差は縮まったか?

ターボには10速ステップ変速が盛り込まれたCVT、ハイブリッドは電気式無段変速機が組み合わされています。ターボ、ハイブリッドとともに、ボディ剛性感が高く、まるで欧州車のよう。ホテル敷地内にあった欧州各地にある石畳のような路面でも足がよく動き、乗り心地も上々。

オーリスのプレミアムガソリンからレギュラーガソリンに対応に変更されたターボモデルは、116ps/5200-5600rpm、185Nm/1500-4000rpmというスペック。ターボラグは少し感じさせるものの、10速CVTの加速フィールは良好で、やや強めにアクセルを踏んだくらいなら、音ばかり高まった加速感が付いてこないというCVTのネガはあまり顔を出しません。

一方、ハイブリッドはプリウスとほぼ同じ重量で(G“Z”)は、プリウスよりも30kgほど重め。低速からスーッと走り出すフィーリングはまさにハイブリッドらしく、エンジンとモーターによる加速になると力強さが増すのが印象的。プリウスとの違いは、足の良さで、路面に対してより滑らかに動いてくれます。

もう少しパワステの手応えがあれば、よりスポーティムードが強調されるはず。また、DSG(デュアルクラッチトランスミッション)と組み合わせるゴルフと、CVTや電気式無段変速機のカローラ スポーツでは、変速フィールのダイナミックさではゴルフが上。

また、走りの乗り味や剛性感では、VWゴルフとの差はかなり縮まった印象ですが、ステアリングを切った時のフィーリングは少しゴルフよりも希薄に感じられます。

このあたりは、カローラ スポーツがより万能向けのセッティングであるように思えました。走りのクオリティは、大幅にレベルアップした印象ではあるものの、スポーツを名乗る以上、もっとスポーツに振った味付けがあってもいいかも。このあたりは、iMTの登場にも期待です。

(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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