「ミシリ」ともしないボディの剛性感により、先代よりかなりサイズアップしているにも関わらず、大きさを感じさせないハンドリングも美点。そしてフォルクスワーゲンらしい安定感の高さに加えて、FFでもこれほど意のままになるのか!! と感嘆させられるライントレース性の高さは、高速道路など長距離でこそありがたみを感じるはずです。
一方、ノーマル仕様よりも10mm車高をダウンさせた乗り心地は、フォルクスワーゲン(GTI)らしい硬質さで、「ノーマル」モードでも少しコツコツとした足の動きになりますが、先述したように、ボディの剛性感が非常に高いこともあって不快さはなく、先代、先々代のポロGTIと比べると、乗り味は大人になっている印象。なお、「スポーツ」にすると足の動きが抑制され、より鋭いコーナリングが可能になります。
up! GTIの完成度の高さにも驚かされましたが、目隠して運転席に座らされてポロと説明されない限り(もちろん、ポロGTIの内装と知らない前提ですが)、ゴルフGTIと勘違いしそうなほど高い完成度を誇るポロGTI。この1台があれば高速道路から峠道までスポーツドライビングを手軽に楽しめるのは間違いありません。
(文/写真 塚田勝弘)