近藤真彦率いるKONDO RACINGが10年ぶりにトップフォーミュラー優勝!N.キャシディー選手がPOLE to WIN【スーパーフォーミュラ2018】

7月8日に富士スピードウェイで開催されたスーパーフォーミュラー第4戦。KONDO RACINGのニック・キャシディー選手がポールトゥウィンで初優勝を飾りました。

天候に大幅に左右された前日の予選でポールポジションを獲得したのはKONDO RACINGのニック・キャシディー選手。ドライのスリックタイヤでアタックできたQ2をキャシディー選手はトップタイムでクリアしたものの、Q3は雨となりレインタイヤでのアタック。しかしその雨のアタックで2位の山本尚貴に0.2秒の差をつけてポールポジションを獲得します。

ポールポジションのスターティンググリッド。SUPER GTでコンビを組む平川 亮選手も、自身がこのレースに参加するにもかかわらずキャシディー選手を激励します。

レースはスタート直後のTGRコーナーの攻防を一番イン側から制し、トップをキープしたキャシディー選手が逃げながら、JMS P.MU/CERUMO・INGINGの石浦宏明選手が1秒後ろを追い続けるという展開。

36周目にキャシディー選手がピットインすると13秒かからずにピットアウト。ピットンを済ませた中ではトップのままコースに復帰していきます。そして41周目にキャシディー選手に対し45秒ほどのアドヴァンテージを持って石浦選手がピットイン。キャシディー選手の前にコース復帰出来れば優勝もありえるという展開の中、ピット作業後に再スタートが上手く決まらず2秒ほどロス。そのときキャシディー選手は最終コーナーを立ち上がりストレートへ全開走行。

結果的には石浦選手はキャシディー選手のギリギリ後ろでコース復帰となり、まだタイヤの温まっていない状態ではキャシディー選手を追い上げることもままならず、キャシディー選手の逃げ切りを許してしまうこととなってしまいました。

そして55周のレースを逃げ切ってスーパーフォーミュラー初優勝を飾ったニック・キャシディー選手。

レースクイーンもその様子をハラハラしながら見守り、そして優勝には涙を流して喜びます。

しかし、そのキャシディー選手の優勝を誰よりも喜んだのは、チーム監督である近藤真彦さんでしょう。

近藤監督は「ニックの速さに応えられる環境をやっと整えることができた」と控えめにコメントしますが、KONDO RACINGがスーパーフォーミュラーで優勝したのは、実は初めて。スーパーフォーミュラーの前身であるフォーミュラーニッポンの2008年第7戦富士での2レース制第1レースにJ.P.オリベイラ選手が優勝して以来、トップフォーミュラでは実に10年ぶりの優勝となります。

サインガードでは冷静に優勝を喜んだように見えた近藤監督ですが、ピットロードを横断しピットガレージへ向う途中で何かがこみ上げたかのよう。拳を握って優勝を噛み締めています。

そしてパルクフェルメにキャシディー選手を迎えに行くと、報道陣へ満面の笑みで撮影に応えます。

キャシディー選手の初優勝とKONDO RACINGの10年ぶりの優勝。この二つの意味が表彰台の頂点でひとつに重なっているのです。

そして山本尚貴選手の連勝を止めることが出来たのもキャシディー選手。国内最速のハイスピードバトルも残り3戦となりますが、またもやチャンピオンの行方がわからない状態となり、ますます面白さがアップしているスーパーフォーミュラー。

次戦は8月18~19日のツインリンクもてぎ「もてぎ2 & 4レース」にて開催されます。

(写真:松永和浩、高橋秀彰、大西幸仁 文・松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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