── 「Modulo X」シリーズで5台目となるコンセプトカーですが、S660ならではのテスト方法はありましたか?
「S660のユーザーは自分でクルマをいじるのが好きな方が多いんです。エアロなど様々なパーツを付けていて、一つとして同じ物がないんじゃないかっていうくらい(笑)。またサーキットで走行するために馬力を上げたりする方もいらっしゃるので、実際の馬力はノーマルと同じですが、テストではリミッターを解除し馬力を上げて行ったりもしました。そういう領域でしっかり走れるようにテストすることで結果、より安全で乗り心地の良いクルマに仕上がることが分かりました」
── この仕事をやっていて、やりがいを感じる瞬間はどのような時ですか?
「デザイナーが書いたクルマの絵をまず粘土で形にして議論を重ね、実車で何度もテストを行い、最終的に工場で出来上がった瞬間を見るとやっていて良かったなと思います」
── 小さい時からクルマが好きで「クルマのデザインをしたかった」とおっしゃっていましたが、今後はどのようなコンセプトカーを作っていきたいですか?
「とにかくかっこいいクルマを作りたいですね。見た目はもちろんですが、走り出した瞬間『おぉ !』と思ってもらえるような。あとは男性向けのスポーツモデルだけでなく、運転が苦手な女性でも日常で安心して運転できるような幅広いコンセプトカーを作っていきたいです」
高田さん、ありがとうございました! インタビュー中、終始笑顔でお話ししてくれ「S660 ModuloX」への愛情がヒシヒシと伝わってきました。
「これまでの中で最高レベル」という「S660 ModuloX」の魅力をさらに探るべく、愛車S660をこよなく愛しほぼ毎日乗っている父(元ラリードライバー)にも試乗会に参加してもらったのですが、
「一番の違いは、ステアリングを切ったときの感覚。ノーマルはステアリングを切ってからクルマが回るまで少し待つような感覚があるが、S660 ModuloXは自分の感覚通りにクルマが反応してくれる。まるで2ランクくらいグリップの高いタイヤを履いたように、路面に吸い付くような感覚が楽しい!」
と興奮気味。
助手席専門の私も乗った瞬間、その違いに驚きました。
「S660 ModuloX」専用のスポーツレザーシートは体をしっかりと包み込んでくれ、まるで自宅のソファーに座っているかのようにリラックスできました。そしてボルドーレッドによるインテリアのコーディネートは所有欲を高めるだけでなく、車内を広く感じさせるからびっくり(車内の広さはノーマルと同じだそうです)!
もちろん走行も驚きの連続で、特にコーナーを曲がる時には体がもっていかれずクルマと一体になったかのような感覚になり、驚きました。
試乗会の帰り道、「全然違うね」と我が家のS660に乗りながら父としんみり。ユーザーのことを想いながら作られた「S660 ModuloX」はS660をさらに楽しく、そして快適にしたスペシャルな一台でした!
(撮影 :冨士井明史、yuri/文:yuri)