【新車試乗】ハイブリッド改め「e-BOXER」を積む新型フォレスター。旨味を感じる速度域は?

とくに、「SIドライブ」と呼ばれるドライブモードを「Sモード」にすると積極的にモーターアシストを活用するセッティングになります。ただし、モーターの最高出力は10kWにとどまっていますから、全域でモーターアシストを体感できるわけではありません。30〜50km/hの速度でコーナリング、そこから立ち上がりに向けてハーフスロットルを入れていったようなシチュエーションで、もっともモーターアシストの旨味を感じることができます。つまり、一般道を法定速度で走っているときの軽快感につながるパワートレインが「e-BOXER」というわけです。

今回の試乗コースはワインディングを模したクローズドコースでしたが、まさにこうしたシーンにおいてe-BOXERのレスポンスは光ります。しかも、プラットフォームから一新したフォレスターのハンドリングは、最低地上高を220mmも確保したSUVとは思えないほどロールが制御され、ステアリング操作にもキビキビと反応するものですから、モーターアシストによるコーナー立ち上がりの鋭さは、コーナリング全体の流れとしても好印象につながっていることが確認できました。

過給エンジンとも違う、しかしハイブリッド的なネガも感じさせない、新しいパワートレイン像をフォレスターの「e-BOXER」は表現しているのです。

●スバル・フォレスター「アドバンス」 主要スペック
車両型式:5AA-SKE
全長:4625mm
全幅:1815mm
全高:1730mm(ルーフレール装着車)
ホイールベース:2670mm
車両重量:1660kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒ガソリン直噴
総排気量:1995cc
最高出力:107kW(145PS)/6000rpm
最大トルク:188Nm(19.2kg-m)/4000rpm
変速装置:CVT
モーター型式:MA1
モーター形式:交流同期電動機
モーター最高出力:10kW (13.6PS)
モーター最大トルク:65Nm(6.6kg-m)
駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
燃料消費率:18.6km/L (JC08モード)/14.0km/L(WLTCモード)
タイヤサイズ:225/55R18(サマータイヤ)
メーカー希望小売価格(税込):3,099,600円

(山本晋也)

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この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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