【新車試乗】ハイブリッド改め「e-BOXER」を積む新型フォレスター。旨味を感じる速度域は?

さて、注目のハイブリッド車ですが、そのパワートレインには新たに「e-BOXER」という名称が与えられました。省燃費性だけではなく、新しいボクサー(水平対向)エンジンとしての魅力を提案するパワートレインを目指すという意思が感じられます。

仕組みとしてはトランスミッションの後ろに配置された駆動モーターとラゲッジ床下に収納されたリチウムイオン電池から構成されるマイルドハイブリッドですが、さらにそれ単体でもハイブリッドといえるISG(インテグレーテッドスタータージェネレーター)とISG用の鉛バッテリーを搭載しているという他にはない独特のメカニズムとなっています。

バッテリー以外の構成要素としては旧型インプレッサ&XVに設定されていたハイブリッド車と同じといえますが、思想が異なっています。また、バッテリーがコンパクトにまとめられているためラゲッジスペースへの悪影響がないというパッケージングも見事といえるでしょう。

ハイブリッドカーと聞くと、燃費重視でドライバビリティにマイナスなイメージを持つかもしれませんが、スバルe-BOXERは「アクセル踏み込み時の軽快感、レスポンスの良さ」を狙ったハイブリッドなのです。従来のターボのような回したときのパワー感ではなく、アクセルの踏み始めから鋭いトルク感で気持ちよく加速するといった点で、モーターアシストを活用しています。

カタログ値のみならずリアルワールドでの燃費性能を無視しているわけではありませんが、フォレスターというキャラクターに期待するアクティビティにつながるパワートレインとして仕上げられているのです。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる