【新車】新型トヨタ・センチュリーのショルダー部のキャラクターラインには「几帳面」、奥深い艶と輝きを追求した新色「神威」を採用

6月22日、19,600,000円という価格で発売された新型トヨタ・センチュリー。日本を代表するショーファードリブンだけに、内・外装の完成度が気になります。

ショーファーを印象づけるポイントであるサイドビューは、あえて傾斜を立てたという、重厚なクォーターピラーにより後席の存在感を強調。ひと目でセンチュリーと分かるデザインとされています。

さらにサイドボディは、ドア断面の美しいカーブが追求され、ショルダー部のキャラクターラインには「几帳面」と呼ばれる、平安時代の屏障具(へいしょうぐ)の柱にあしらわれた面処理の技法を採用したそう。これにより、端正に並んで走る2本の線を角として研ぎ出し、わずかな隙に淀みなく通した面を1本の線として際立たせることで、高い格調を与えています。

センチュリーの象徴であるフロントセンターの「鳳凰」エンブレムは、工匠が金型をなんと約1か月半かけて丁寧に手で彫り込み、躍動する翼のうねりや繊細な羽毛の表情を鮮やかに描き出しているそうです。

さらに、エンブレムを彩る縦格子のフロントグリル奥に、「七宝(しっぽう)文様」が配置され、前後二重構造にすることで、品位や華が表現されています

塗装ももちろん注目ポイント。新規開発色のエターナルブラックで「神威(かむい)」と命名された外装色は、漆黒感を高める黒染料入りのカラークリアなど7層もの塗装に、研ぎと磨きを加えて奥深い艶と輝きを追求。

日本の伝統工芸の漆塗りを参考に、流水の中で微細な凹凸を修正する「水研ぎ」を3回実施し、さらにその後、一点のくもりも残さないよう鏡面仕上げが施されるという驚くほど丹念な仕上げになっています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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