【週刊クルマのミライ】待望のミラーレス化で、ホンダ・S660が後方視界をクリアにした

2018年5月にホンダS660が、ホンダアクセスの手によるコンプリートカーといえる「Modulo X」を新設定したのに合わせて、ボディカラーに新色を追加するといった小変更を実施しました。

そして、そのタイミングで7インチナビや電子ルームミラーといった純正アクセサリーが登場したのも記憶に新しいところですが、早速S660のウィークポイントをカバーする「アドバンスドルームミラー」を実際に体感する機会に恵まれました。

後方に向けて配置したカメラの映像を、ルームミラーに内蔵されたディスプレイに映し出すという仕組み自体は、すでに他モデルにも設定されていますが、S660だからこそこのアクセサリーのありがたみが増してきます。

というのも、S660はオープンボディですから横転時の安全性を確保するために立派なロールバーが備わり、それを太い樹脂製パーツでカバーしています。そのためリヤウインドウは実質的に三分割され、後方視界を邪魔しているのです。とくに助手席側後方の視界はかなり厳しいというのはオーナーであれば悩みのタネではないでしょうか。

 

しかし、「アドバンスドルームミラー」を装着することでロールバーに遮られることなく、クリアに後方の様子を確認することができます。S660の特徴ともいえる開閉可能なセンターウインドウの内側に約130万画素のカメラを設置、その映像をルームミラー部に映すことで、標準のルームミラーより圧倒的に広い範囲をクリアに確認することができるのです。

この手の映像を利用したルームミラーは、目のピントが合いづらいという評価もありますが、実際に使ってみるとさほど気になることはありません。それよりも明らかに視界が広がったことのメリットのほうが大きいと感じますし、駐車時には壁までの距離感もつかみやすい印象です。

全部で8万円オーバーと高価な純正アクセサリーですが、後方視界のストレスが改善されることを考えると、十分に価値あるデバイスといえそうです。

●アドバンスドルームミラー :84,240円 (税込価格)
本体 74,520円(税込価格)/取付アタッチメント 9,720円(税込価格)

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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