新型トヨタ・クラウンの走りは抜群の安定感とFRらしい素直なハンドリングを両立

ティザーサイトでもオープンにされているとおり、ニュルブルクリンクでも走り込んだという新型クラウン(コンセプト)の走りは、一言でいうと安定感の高さとFRらしいハンドリングを高次元で両立している点。

試乗コースは、日本サイクルスポーツセンターの自転車コース(5km)ですが、大きく回り込むようなコーナーがいくつも連続し、上りも下りも勾配がきつく、真っ先に求められるのはボディの安定感でしょう。

どのパワートレーン、駆動方式に乗っても共通するのは、コーナーを問わず高いスタビリティが感じられる点で、コーナーで車両が傾いても、ロールの出方が素直で、しかも収束(減衰)が速いため安定。現行と乗り比べるとスタビリティの違いが印象的です。

前席のヒップポイントは変わらないものの、ボンネットの高さを13mm下げたことで、前方視界が改善され、次のコーナーが確認しやすく見通しが良くなっています。

ハイブリッドは、とくに2.5Lでかなり飛ばすと、急な上り勾配でキックダウンした際に、エンジンの応答が遅れる感覚がありますが、この点は現行ユーザーからかなり指摘された点だそうで、普通に走る分には気にならないレベルにまで改善されています。

3.5Lハイブリッドは、さすがに十分な速さを堪能できますが、とくに2.0L直噴ターボと比べると、フロントノーズの入りからボディ全体の動きまで重さがあるのも確か。逆に高速道路のロングドライブを楽しむのであれば、新型でさらに高まった直進安定性により、最も快適に運転できるのは間違いないでしょう。

なお、新型クラウンには、アルファード/ヴェルファイアと同じデンソー製の単眼カメラとミリ波レーダーを使った第2世代の「トヨタ・セーフティ・センス」が搭載されますが、直進安定性が高まったことで、レーンキープアシストである「LTA(レーントレーシングアシスト)」のセッティングもよりしやすくなったそうです(もちろん、クラウンとアルファードの重心高の違いなどもありますが)。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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