6月2~3日に富士スピードウェイで開催されたピレリスーパー耐久シリーズ2018 第3戦「富士SUPER TEC 24時間レース」。国内では10年ぶり、富士スピードウェイでは50年ぶりという24時間レースとして大いに注目された一戦となりました。
その24時間という長丁場のレースで、TEAM NOPROから参戦したマツダ デミオとアクセラのディーゼルは、揃って各々のクラスで2位表彰台を獲得。燃費は速さをカバーするということを実証して見せたのがこの2台のマツダディーゼルマシン。
6月1日に行われた予選でST-2クラスのマツダ アクセラディーゼル「DXLアラゴスタNOPROアクセラSKY-D」はST-XクラスからST-3クラスまでのGr.1で最下位のひとつ前、ST-2クラスでは最下位という結果。それもそのはず、Gr.1でも最低出力のマシンであり、参戦するST-2クラスでは三菱ランサーEVO XやスバルWRX STIなどのライバルにカタログ数値で125馬力以上も差をつけられています。
またST-5クラスのデミオディーゼル「DXLワコーズNOPROデミオSKY-D」も最下位から数えて3台目。こちらもカタログデータで見ればホンダフィットRSの132馬力やマツダロードスターNDの131馬力に比べて105馬力と26馬力以上も差があるのです。
しかし、この2台のマツダ ディーゼルには「燃費」という武器があります。アクセラは昨年は開発に専念していたために燃費による好成績を残せてはいませんが、デミオは昨年の2017シーズンで富士10時間と最終戦岡山を見事に優勝で飾り、シリーズランキング2位という結果を残しています。
スタートから好調に走り出した2台のディーゼルマシンは、序盤でセーフティーカーが出るようなアクシデントの多かったレース展開の中でも大きなトラブルに巻き込まれることなく夕暮れを迎えます。
夕暮れの富士山を背景に走り続ける各マシンですが、この時点でレース開始から4時間。まだ20時間もレース時間が残っています。
そして日は完全に落ち、ナイトセッションが始まっていきます。グランドスタンド周辺やヘアピンのADVANコーナーは照明の増設などで明るいのですがその他のコーナーなどは真っ暗といってもいいでしょう。
各車ともヘッドライトのほかに補助灯を設け、夜の視界確保を強化しています。その補助灯の取り付け方も各マシンで個性がでますが、2台のマツダディーゼルは前方よりも両サイドを明るく照らすように補助灯を設置。両サイドの視野を大きく取るというのは、クリッピングポイントをよく見えるようにするためと、タイヤカスや脱落したパーツを踏まないようにということへの配慮。
24時間レースでなければありえないほど真っ暗なナイトセッションですから、準備が過剰であってもやりすぎということはないでしょう。