敵地視察!? OPT300ZXと一緒に「走らせられる」レーサーたちの声とは?・その5【OPTION 1985年6月号より】

OPTION 300ZXの富士1000km耐久参戦がいよいよ近づいてきました。エンジンはどうなった? パワーは? 予選落ちしないで済むのか?? そんな不安だらけの中、チーム監督Dai稲田が敵をチェックしに鈴鹿500kmレースへ覗き見しに行ったのが、この号です。

凄いエントラントからすれば敵…にもならないチームOPT。神聖なるレースに暴走族チームが参戦する「挨拶」といったところ。ではレジェンド・レーサーたちの若かりし姿と共に、プレイバック!

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鈴鹿500km直撃ルポ
お邪魔でしょうが、OPTも耐久レースに出ます!

雨の中を全開、500ps以上で激走するグループCマシン。この光景を見たら、300ZXで同じレースに出るのをビビってしまう。ドライバーは大変だな、というのが実感だ。

しかし、シビックやCR-X、サニーが頑張っている。富士ならもっとツーリングカーが出現するはずだ。グループCは問題外としても、ツーリングカー群には負けてなるものか。

と思いつつも、グループCの速さは強烈そのもの。今年の売り物は王者ポルシェに対して、国産のトヨタ4T-Gターボ、日産FJ20/LZ20ターボが戦闘力をつけてきた点だ。

鈴鹿500kmでも、予選こそアドバン・ポルシェ962(高橋国光/高橋健二組)がポールだったが、雨の決勝レースではトヨタ・トムス85C(中嶋悟/関谷正徳組)が飛び出し、これをアドバンとISEKIポルシェ(V・シュパン/鈴木恵一組)、ワコール・トヨタ童夢84C(E・エルグ/J・リース組)、そして日産軍団のシルビアターボCニチラ(星野一義/萩原光組)、ニッサンターボC(松本恵二/中子修組)、スカイラインターボCトミカ(長谷見昌弘/和田孝夫組)が追う。

展開の方は燃料補給やタイヤ戦争(これが決定的)が入り乱れ、耐久では珍しい接戦になった。しかし、トムスの4T-GTエンジンがブローし、結果的にはワコール童夢85Cが優勝、2位にニッサンのシルビアターボCが入り、初めて無敵のポルシェに土がついた。

このメーカー戦争がグループCでなく、ツーリングカーなら、もっと面白いと思うのだ。OPT300ZXは、その反骨精神で、笑われようともチャレンジするつもりだ。

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HKS、東名自動車、横浜ゴム、NISMOスポーツ、そして新たにゲインズがスポンサーに決まり、なかなか賑やかなチームとなってきました。もちろんOPT読者を応援団として味方につけ、いよいよのレース本番を迎えます。さて…どーなることやら??

[OPTION 1985年6月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

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この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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