レース仕様決定! NISMOもパートナーになった! OPT300ZX耐久レース参戦記・その4【OPTION 1985年5月号より】

VG30の強度問題にアタック!
【エンジン担当:HKS】

VG30チューニング内容は耐久性。そのためブロックやクランクシャフトの大幅強化が課題だ。ヘッド関係はラッシュアジャスターなしのカム駆動でスペシャルカム使用・ピストン/コンロッド類も特注品だ。タービンも容量アップ。EGIにはHKS新開発のプログラムドFコンを使用することに決定。300~400psの耐久性にトライ中。

キット開発用でもパイプ、ピロ足だ
【サスペンション担当:NISMOスポーツ】

300ZXで最も頭の痛いサスと駆動系関係がクリアされた点は大きい。スプリングやショックは数種類の試作からチョイス。アーム類はパイプで、むろんピロ足だ。ミッションはZX用ではなく、従来の日産71Bオプションに変更。デフはR200のままだが、通常のLSDでなくHKSのスーパーデフをトライする。問題はブレーキで、現状の強化かダンロップMK63の大容量キャリパーを検討中。

重量級ZXをどう軽くするか
【ボディ担当:東名自動車】

IMSA規定による重量軽量化。カウルがFRPなのはもちろん、必要ないパワステやパワーウインドウ部などすべて除去する。インパネもスパルタンなアルミプレートのみ。安全燃料タンクは120L用だが、富士1000kmの規定が510Lなので、燃費はリッター2kmをクリアしなければならない。

浮上してきたタイムとの戦い
【タイヤ担当:横浜ゴム】

計画ではアドバンの市販ラジアルのコンパウンド変更でトライ。これはタイヤ交換を少なくする狙いもある。サイズ的には245/40VR16まで製作予定だが、タイムが伸びないとレーシングタイプになる可能性あり。ホイールは9J、10Jの東名ターボブランドを使用。

強力なメインドライバーはお楽しみ
チーム編成:D,speed

各担当別にメカニックが参加するが、基本的には我がOPTが中心。マネージメントのDai。サブマネはミッキー多田。サブドライバーにはラジコン界のプリンス、コボ(桂 伸一)を予定しているが、国際ライセンス取得中。強力なメインドライバーは、お楽しみだ。

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HKS、東名自動車、横浜タイヤにプラスし、この時「新会社」と紹介されているNISMOが強烈なパートナーに名を連ねました。ドライバーはコボちゃんこと桂伸一さん、でもこの時代はサブドライバーで、しかも国際ライセンス取得中のレーサーなりたて(デビュー前!?)。そ・し・て! メインドライバーには「あの方」が後に登場いたします。そう、「あの方」のOPTデビューとなりますよ!

[OPTION 1985年5月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

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この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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