土屋さんがあまりにも楽しそうにヴィッツGRMNのお話をするので、どのようなクルマなのか気になってしょうがないっ! しかもヴィッツと言えば、TOYOTA GAZOO Racingが参戦しているWRC(世界ラリー選手権)のマシン「ヤリスWRC」のベース車両ではないですか!!
ということで、GRの究極のスポーツモデル「ヴィッツGRMN」と「ヴィッツノーマル車両」を乗り比べさせてもらいました。
クルマが走り出した瞬間、まず驚いたのはエンジン音! 五感が研ぎ澄まされるような、不思議な感覚です。
コーナーでは土屋さんのおっしゃる通り安定感があり、スピードを出しても怖さを感じません。これはサーキット走行をしてみたくなっちゃう!
違うのは乗り心地だけではありません。冷却性能をはじめ、走りの機能性をストイックに追求した“Functional MATRIX”グリルを採用した専用フロントバンパーや専用大型リヤスポイラー、赤いラインがかっこいい専用スポーツシート、アルミペダルなど、ボディや内装からも技術者のこだわりを感じられました。
そして一番驚いたのが、ドア。ノーマル車両は5ドアですがヴィッツGRMNは3ドアです。一体なぜなのでしょうか? その理由をGR開発統括部 ZR主幹 佐々木良典さんに聞いてみました!
「3ドアのほうが5ドアに比べて開口部分が少ない分ボディ剛性が良いというのも理由の一つですが、やっぱり見た目ですね(笑)。実は5ドアにしようと悩んでいた時期があったんです。ラリーのタイヤ交換の際に、ドアがたくさんあったほうが便利ですからね。ロールケージを付ければボディ剛性も上がるから、そうしようかなとも思ったのですが、やっぱり3ドアのほうがパッと見てかっこいいので、3ドアにしようと決めました」
── 本当にかっこいいですよね! クルマを見た瞬間、一目惚れしちゃいました(笑)。
「そうですよね。完成したものを改めて見ても、『あ~かっこいいな、3ドアにしてよかったな』と思います(笑)」
── ヴィッツGRMNを作る上で、一番こだわったことは何でしょうか?
「レスポンス、応答性ですね。全ての操作に対して、クルマが瞬時に反応してくれるということを重視しました」
── 佐々木さんはGRブランドの立ち上げから携わっているのでしょうか?
「そうです。今はガズーレーシングカンパニーという部署にいるんですけれども、その前身のスポーツ車両統括部というスポーツカー専門の部署を立ち上げた時からずっと携わっています」
── 昔からスポーツカーがお好きだったのですか?
「はい。スポーツカーが好きって人はたくさんいると思うんですけれども、実際クルマの会社に入ってスポーツカーの開発に携われる人って、なかなかいないんですよね。そういう面ではラッキーと思っていますし、幸せをかみしめながら働いています」
── まさに天職ですね!
「本当にそう思います。スポーツカーに携わってから8年経つんですけれども、その前はシャシー設計をやっていて。そういう所で培われてきたものが、今活かされているのかなとも思います。設計部署で考えていたものが、今こうして実現しているという感じです。将来こういうスポーツカーを作ってみたいという夢がある人は想い続けて、トヨタ自動車のガズーに来てくれれば夢が実現できると思います」
── 最後に、これからやってみたいことなどあれば教えてください!
「奇抜なことをやるというわけではなく、今回のヴィッツGRMNで自分でも凄いなと思うクルマを作ればお客様も喜んでくれるということが分かったので、常にお客様が乗ってニコっとしてくれるクルマを作っていきたいです。夢は持ち続けたいですね!」
(yuri)