5月3~4日に富士スピードウェイで開催のSUPER GT第2戦「2018 AUTOBACS SUPER GT Round 2 FUJI GT 500km RACE」の中で3日に行われた公式予選。
前日からの雨は午前8時半過ぎにはあがってはいたものの、激しい濃霧のために予定されていたフリー走行が行えず、ピットウォーク終了後に通常は100分のところを30分間に短縮されたカタチでフリー走行が実施になるという変則スケジュールとなってしまいます。この短い時間だけでタイヤをチョイスしセッティングを合わせ予選に備えなくてはなりません。
そして、この変則スケジュールは予選時間にも影響を与えます。通常はノックアウト式予選となり、全車走行するQ1と、GT300クラスの場合はQ1の上位14台が進出し最終的なグリッドを決定するQ2となるのですが、このとき採用された予選方式は20分間の予選時間での一発勝負。そしてタイヤを2セット使わなくてはならないという変則ルールまで採用されます。
その30分のフリー走行を経ていざ予選という場面。Modulo KENWOOD NSX GT3のピットでは最終的なデータチェックが行われていました。しかし、その空気はなんだか和やか。第1戦の岡山で苦労したセッティングですが、今回は光明が見えているようです。
予選を担当するのは道上龍選手。さすがにヘルメットをかぶれば、そこには緊張感が漂います。
そして一発勝負の予選開始。
予選順位は11位でしたが、タイムは1分37秒396でトップから0.8秒差という僅差。前戦・岡山では1.3秒差、そして富士のほうが1周の距離が長いことを考えれば、かなりセッティングが詰まってきたことの証といえるでしょう。
予選終了の直後に道上選手は「さっき(フリー走行)と比べればかなりよくなってる」と語っています。具体的には「サスペンションの動きを決める駒みたいな部品がピッタリはまってくれた」と、全てのスケジュールが終了したあとのインタビューで答えていただきました。
もし、通常スケジュールでノックダウン方式の予選が行われていたとすれば、11位という順位はQ2進出の順位。Q2進出となれば直前のスーパー耐久でクラス優勝している大津弘樹選手の出番。ノリにノっている大津選手のこと、さらに上位に食い込めた可能性も否めません。たらればの話は置いておいても、それだけ熟成が進んだHONDA NSX GT3、と見ることが出来るでしょう。
また同じNSX GT3のCARGUY ADA NSX GT3も13位と、こちらもノックダウン式であればQ2に進出できるという順位。そろって実力を向上させてきているようです。
そんな実力急上昇中のHONDA NSX GT3。決勝ではどんなレースを見せてくれるのでしょうか。
(写真・文:松永和浩)