目標の250km/hをクリアしたMR2、その中身とは?・その2【OPTION 1984年11月号より】

直進性の悪さはリヤのトー変化と結論を出す!

ファーストトライで最も問題になったのが、直進性の悪化とフロントのフラつきだ。そこで200km/h以上での直進性を強くするためのトライをしてみた。

1stトライでの問題点を総合的に判断すると、ふたつの問題点に絞られた。その1は、フロントに大型エアダムを装着して、リヤは小型スポイラーのままだったので、フロントのダウンフォースのみ強くなってしまいリヤが安定性を失っている点。

その2は、車高を下げたことによりアライメントが狂っている点と、サスの設計速度以上になるためにトー変化が激しく、全体がトーアウトになり直進安定性を失っている点である。

そこで、今回はワンオフスペシャルの大型リヤウイングを採用し、さらにウイングに流れるエアを整流するために、アルミパネルで大型のルーフスポイラーを製作した。これにより、フロント&リヤスポイラーのバランスが理想的になると考えられた。

アライメントは、曲がる性能を多少犠牲にしても、直進性をアップするというセッティングにした。

この数値は結果的には成功であり、1stトライでの直進性の悪化は、リヤのトーインがノーマル値+4mmに対してマイナス値になっており、さらに高速走行で開いてしまったのが最も大きな原因との結果を出した。

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この時代、本格的なハードなチューニングは、各チューニングメーカーもショップもまだまだスタートしたばかりのMR2チューン。シグマオートモーティブ+マッドハウス+OPTでのこの究極テストが指針になっていたとの自負あり!です。次回その3では、4A-Gの中身を徹底解析!です。

[OPTION 1984年11月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

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この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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