ワインディングに向かって、まずは制限速度30km/hの峠道を上りはじめます。タイトな道を、対向車に気を付けながらゆっくりと走っていても、ハンドル操作に対して過不足なく曲がっていくのを感じます。乗り込んだときにはアイポイントも高く、SUV的な乗車位置であるためSUV的なゆったりとした感覚を予想していましたが、ロール剛性も高めで適度にキビキビ走る印象を受けるのです。基本的にはアウトランダーと同じプラットフォームを使っていますが、まったく違う性格に仕上がっています。
さらに驚くのはエンジンのレスポンスです。電子制御を多用しているとはいえ、小排気量ターボですからそれなりに過給のタイムラグがあるという想像もしていましたが、CVT制御とのマッチングがよく、トルコンをうまく利用していることもあって、全体としてみるとアクセル操作に対するトルクの出方に不満はありません。むしろ、このリニア感はMTでは不可能と思えるほどレスポンシブルなのです。
じつはエンジン以外のメカニズムは新しいものではありません。逆に、使い慣れたメカニズムを時間をかけて熟成させたことで生み出せる走りをワインディングで感じることができました。