阿蘇山・中岳火口の見学が再開されました!(熊本県)【車中泊女子の全国縦断記】

去る2月28日、約3年半ぶりに阿蘇中岳火口の入山規制が解除されました! 残念ながら当日は濃霧で見学はできなかったそうですが、快晴に恵まれた3月2日に、さっそく見に行ってきました。

ちなみに「阿蘇山」とひとくくりに言われることが多いのですが、正しくは「高岳」「中岳」「根子(ねこ)岳」「烏帽子岳」「杵島(きしま)岳」の総称です。その阿蘇五岳のうち、現在も火山活動を続けているのが「中岳」なのです。

県道111号線(通称:阿蘇パノラマライン)で、米塚(写真)や草千里を眺めつつ【阿蘇山ロープウェー】乗り場(阿蘇山西駅)へ。周辺には、乗用車約80台分の無料駐車場があります。

現在も【阿蘇山ロープウェー】は運休中ですが、お土産屋さんやお食事処は営業しています。また、バスで来る観光客のために火口駅への代替シャトルバスも運行しています。

【阿蘇山ロープウェー】のすぐ脇に鎮座する【阿蘇山本堂 西巌殿寺奥之院】や、阿蘇神社の奥宮【阿蘇山上神社】は、瓦が落ちていたりお堂も拝殿もボロボロのまま、灰をかぶって痛々しい姿でした。

古代の昔から中岳火口は「神霊池」と呼ばれていて、阿蘇山上神社は火口に向かって拝殿が建てられています。どちらも由緒ある古社名刹ですから、一日も早く復興してほしいものです。

【阿蘇山ロープウェー】乗り場から火口付近までの約1km区間は有料道路となっており、通行料は中型バス3,000円(大型バスは通行不可)、マイクロバス2,500円、普通車800円、軽自動車600円、二輪車200円となっています。歩行者は、遊歩道で火口まで歩いて行くことができます。

クルマを降りると、あたりには火山ガス特有のツンとした匂いが漂っています。そのため喘息や気管支疾患、心臓疾患のある方の火口見学は禁止です。「お控えください」ではなく〝禁止〟なのです。健康な方であっても、風向きに注意して窪地などに長居しないよう呼びかけています。

火口周辺には見学コース(遊歩道)が整備されており、ロープウェー火口西駅付近が「Cゾーン」、そこから火口西展望所までを「Dゾーン」、火口西駅から第1火口付近までを「Bゾーン」、第1火口がもっともよく観察できる「Aゾーン」(写真の案内図には載っていませんが)と、細かく分類されています。

ひっそりと佇む小さなお堂は【山上身代不動】。無事に火口見学できるよう祈ります。背後、左側に見えるのは【火口西展望所】、右側にある円形の建物は鉄筋コンクリート製避難所【退避壕】。ヘルメットも常備されていました。

【火口西展望所】からのパノラマ風景。火口は左側、右側はロープウェー阿蘇山西駅の方向です。遊歩道は高岳への登山ルートでもあり、火山灰に覆われた「砂千里」と呼ばれる黒い平原の壮大な風景も見ることができます。

エメラルドグリーンの火口湖は強酸性で、温度は90度を超えるといいます。水位や色は天候などによって変わるので、この写真とはまた違って見えるかも知れません。

第1火口の西側には、第2〜第7火口が点在しています。現在は雨による水たまりがある程度でひっそりとなりを潜めていますが、その火口を結ぶ巨大なクレーターは、かつての大噴火を想像するに足る雄大さを誇っています。

遊歩道および有料道路の通行可能時間は9:00〜16:30までです。登山・トレッキングをする方は、景色に見とれて時間を忘れないように注意してくださいね。

阿蘇山周辺では毎年、早春の恒例行事として「野焼き」が行われます。野焼き当日(毎週日曜日)は立ち入り規制などが行われますので、野焼きを見物される際には事前にチェックすることをお薦めします。

さらに、3月17日(土/18時~20時)には阿蘇神社において【火振り神事】(国の重要無形民族文化財)が執り行われます。阿蘇は早くも春の目覚めを迎えそうです。

(松本しう周己)

【関連リンク】

阿蘇火山火口規制情報
http://www.aso.ne.jp/~volcano/

2018年 阿蘇 野焼き情報《日時・道路規制》 | あそログ
http://asolog.mt-biker.net/event-kusasenri-noyaki160216/

阿蘇神社
http://asojinja.or.jp/

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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