レンタカー店でパワーオンすると、満充電の新型プリウスPHVはインパネから全身に電力を行き渡らせるように静かに起動します。エンジンは、ウンともスンともいいません。標準のエコドライブモードの状態で軽くアクセルを踏むと、クルマは歩道の段差を柔らかくいなして路上へ出ていきます。
街中ではEV走行が素晴らしく、最新の高剛性プラットフォーム「TNGA」と入念な防音対策が効いて、静かに滑るように巡航します。信号からの発進や追い越しでも、モーターの無振動かつレスポンスとトルクの効いた走りを披露。まさに「静粛・円滑・トルクフル」の3拍子が揃い踏みなのですネ。「これは上質なパワーユニット。先にレクサスブランドで出しても良かった!?」と感じるほどでした。
ただ路面の整った市街地から幹線道路に出ると、路面の影響を受けやすくなりました。エンジンの音と振動がない分、荒れた路面ではロードノイズが耳についてしまうのですネ。タイヤは国内メーカーの標準的なエコタイヤが装着されていましたが、300万円超の高額車としてはいささか寂しいチョイス。おそらくタイヤをグレードアップすれば、ロードノイズは改善できると思います。
新型プリウスPHVは、EV航続距離が68.2kmと先代比で約2倍近く伸びていますし、デュアルモータードライブによりパワーアップしているので、都内を流す距離と負荷くらいではまだHVに切り替わることはありませんでした。そこで、首都高速に乗り入れて、高速域でのEV走行を試します。
(星崎俊浩)