トヨタの「TNGA」は、プラットフォームを含むアーキテクチャ、そしてクルマづくりだけでなく、人づくりも含めた次世代の構造改革としています。
その「TNGA」による新世代のパワートレーンが発表されました。さらに、新たにパワートレーンカンパニーにチーフエンジニア制度を設け、山形光正氏が初の主査に就きました。パワートレーンカンパニーのチーフエンジニア制度については、各地域の排ガス規制の強化などにより、パワートレーンには迅速な対応が求められることに対応するものとしています。
今回の目玉は、まずはCVTの刷新。フリクションロス(機会損失低減)、ワイドレンジ化、変速追従性向上を掲げた「Direct Shift-CVT」は、乗用車向けCVTとして世界初の発進用ギヤを搭載し、アクセル操作に対して素早い反応が可能となるそうです。
気になる変速ショックに関してもATなどで培われた知見が盛り込まれていて、スムーズな変速が可能で、低速域にキックダウンするような加速時には、ベルトからギヤに切り替わる場合もあるそうです。
これにより、極〜低速域の反応の良さ、中間加速のリニアな加速もできているというから仕上がりが気になります。
具体的には、発進時はギヤが担い加速時から定常走行、減速時はベルトからギヤに受け渡すそうです。さらに、上記のワイドレンジ化は、2.0Lクラスではトップの7.5という変速比幅を実現。さらに、ベルトとプーリーの小型化により変速速度を20%向上。
今回の新型CVT「Direct Shift-CVT」により、CVTの美点とされている燃費の良さに加えて、逆に課題とされている発進時のスムーズさや回転が先に高まり速度が後から付いてくるようなフィーリングが改善されることが期待できます。
(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、トヨタ自動車)