おバカ企画の頂点!? オカマちゃんなら検問クリアは楽チンか?【OPTION 1982年2月号より】

KINの変身インプレッション
もちろん、化粧するのなんか初めてだよ。でもビーバー(六本木の有名なオカマさん。化粧してくれた方)に「肌が綺麗ね」なんて言われたとき、少し覚悟が決まった。化粧すると、男として突っ張らなくていいみたいな、ウーン、やっぱ女のような気持ちっていうのかな。女になったような気がしてくる。不思議だね。

スタッフとは青山のカフェで待ち合わせしたんだけど、恥ずかしくって「男」として振る舞えないの、どういうわけか。化粧しているんだから、ボクは「オカマ」なんだって言い聞かせてた。「オカマ」のフリをしているほうがずっと気が楽だったよね。

Daiちゃんは気味が悪いって顔をそむけてコーヒー飲んでるし、RYOはゲラゲラとバカ笑いしている。でも「なんだよぉ!」なんて言えなかった。下向いてモジモジしたりなんかして。

検問所が見えたときは、正直言ってビビった。でも、許してもらえそうな気もした。今は「女」なんだからね。オマワリさんの態度はまったく違っていた。ボクも昨日と違うボク。免許証がみつからない、というと「ゆっくり探しなさいね」なんてことを言う。

ボクは生まれてこのかた、こんな優しい態度のオマワリさんを見たことないゾ。優しくされると、簡単に甘えちゃったりなんかできる。「オイ!」と言われちゃ「なんだ!」となるけど、「探しなさいね」なら「ゴメンナサイネ」ときちゃうんだよ。そのときは緊張してたけど、開放されてホント思った。

「女は得だ! 男は損だ! オマワリさんのえこひいき!」

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
続きを見る
閉じる