おバカ企画の頂点!? オカマちゃんなら検問クリアは楽チンか?【OPTION 1982年2月号より】

オ:余計に言うから焦っちゃったのかな?(こんな言葉をオマワリさんから聞いたのは初めてだ)。○○さんはどこなの、お住まいは?

K:○○です。

オ:ナニ屋さんだい?(KINは一瞬、ドキッとする)

RYO(以下R):あの、ボクのお店にいるんです。

オ:あんたの店はどこ?

R:渋谷です。

オ:あっ、渋谷ネ。なんていうお店だい?

R:ジュリーです(この名前は、打ち合わせではKINの源氏名に決めていたのだが、とっさに口から出てしまった。しかし、オマワリさんの質問は、明らかに職務から離れたもので、好奇心が強く感じられる)。

オ:分かりました。アノー、源氏名はなんていうの?(と、ヘラヘラ笑いながらKINに聞いた。しかし、源氏名のジュリーは店名として使ってしまったので、一瞬困る)。

K:そこまではカンベンしてくださーい!

オ:ハッハッハ! 分かりました。それでは気をつけて!

K:どうもすみません!

【23:41】たった4分のドラマだったが、ふたりとも30分以上に感じていた。とにかくその場を離れたく、口もきかずにクルマをスタートさせた。

男よりもオカマのほうが絶対に得!だということで、ふたりの意見が一致した。これは、本物の女の子の『カワイイから許してあげる』というのとは違うのだ。職務と、オカマを見るという好奇心とがミックスされて、なんとなく優しくなっちゃうのだろう。

確かに、KINがオカマであると分かってからは、こちらも検問でオマワリさんと話している、という感じはなかった。化粧なんかしなくても、オネエ言葉だけで十分に通用する。バレちゃっても逮捕される、なんてことはないんだからね。

もうひとつ、後になって考えてみると、飲酒運転の取り締まりだったのに、免許証紛失騒動で、飲酒ウンヌンのほうは話にも出なかった。どーしてだろ?

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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