オ:余計に言うから焦っちゃったのかな?(こんな言葉をオマワリさんから聞いたのは初めてだ)。○○さんはどこなの、お住まいは?
K:○○です。
オ:ナニ屋さんだい?(KINは一瞬、ドキッとする)
RYO(以下R):あの、ボクのお店にいるんです。
オ:あんたの店はどこ?
R:渋谷です。
オ:あっ、渋谷ネ。なんていうお店だい?
R:ジュリーです(この名前は、打ち合わせではKINの源氏名に決めていたのだが、とっさに口から出てしまった。しかし、オマワリさんの質問は、明らかに職務から離れたもので、好奇心が強く感じられる)。
オ:分かりました。アノー、源氏名はなんていうの?(と、ヘラヘラ笑いながらKINに聞いた。しかし、源氏名のジュリーは店名として使ってしまったので、一瞬困る)。
K:そこまではカンベンしてくださーい!
オ:ハッハッハ! 分かりました。それでは気をつけて!
K:どうもすみません!
【23:41】たった4分のドラマだったが、ふたりとも30分以上に感じていた。とにかくその場を離れたく、口もきかずにクルマをスタートさせた。
男よりもオカマのほうが絶対に得!だということで、ふたりの意見が一致した。これは、本物の女の子の『カワイイから許してあげる』というのとは違うのだ。職務と、オカマを見るという好奇心とがミックスされて、なんとなく優しくなっちゃうのだろう。
確かに、KINがオカマであると分かってからは、こちらも検問でオマワリさんと話している、という感じはなかった。化粧なんかしなくても、オネエ言葉だけで十分に通用する。バレちゃっても逮捕される、なんてことはないんだからね。
もうひとつ、後になって考えてみると、飲酒運転の取り締まりだったのに、免許証紛失騒動で、飲酒ウンヌンのほうは話にも出なかった。どーしてだろ?