最高速はノーマル比18km/hアップの177.12km/hを記録。総括!HONDAシティ・ミッド化計画・その6【OPTION 1984年2月号より】

「本当に走れるミッドシップ…それがターゲットだ。すでに設計の青写真は出来上がった。1台のFFシティ・ターボも解体され、ミッド化の手術に取り掛かっている。製作過程では新たに、思わぬ難関も発生してくるはずだ。が、オレたちは全開で最終ターゲットの真中をブチ抜きたいと燃えている。」

という言葉からスタートしたOPTミッドシップ化計画。日本にはまだミッドシップカーなど誕生していない時代。そんな時代に国産ミッドシップ製作に挑んだOPT。その1~5で製作過程を紹介してきましたが、今回のその6で締めといきましょう。谷田部へ持ち込み、ゼロヨン&最高速計測に挑みました!

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OPTシティ・ミッド・ターボ
パワーアップが高効率で性能アップに直結!

来るべきミッドカー時代をリードして突っ走る、我がOPTシティ・ミッド。エアロパーツ、内装、足まわり、とチューニングステップアップを重ね、いよいよ待ちに待ったパワーアップを実現した!

折からシティターボⅡブルドッグもインタークーラー武装して登場。両車の比較も面白いところだ。OPTシティはお馴染みHKSでシティターボ145psキットを組み込んだ。このキットの内容は、インタークーラー、大容量エキゾーストハウジング、フューエルコンピューター、燃料カット防止回路、ターボタイマー、ブーストメーター(1.5kg/cm2)、オイルクーラー、アルミナイズド60φマフラー、軽量フライホイール、以上のパーツ。これでキット価格34万8000円。コストパフォーマンスからいってもおススメ品だ!

このうちインタークーラーとマフラーについては、ミッドシップ化したOPTシティ・ミッドターボにはそのまま取り付けることができないので、手作りの特注品となっている。
ゼロヨンがなんと14秒台に!
待望のパワーアップを果たしたOPTシティ・ミッド、即、谷田部での最高速&ゼロヨンのチェックだ。テスト時のタイヤはヨコハマのアドバン・アスペック175/60R13。これは意識的にブルドックの標準タイヤと同じにしてみた。

結果を先に言ってしまうと、ゼロヨン14秒99。最高速177.2km/hを記録した。エンジン関係がノーマル100psのベスト記録は、ゼロヨン16秒22。スリックタイヤ使用時で16秒02。最高速159.29km/hだった。比較するとゼロヨンで-1秒23、とりわけそのゼロヨンタイムは驚異的。

たかだか1.2リッターのボルトオンターボである。しかもノーマルタイヤで15秒を切っているのだから。パワーアップが効率よく駆動輪に伝えられたことになる。まさにミッドシップの面目躍如というわけだ。最高速で17.83km/hのアップだ。さらに最高速・ゼロヨンともにタイヤを考えて用意すればより良いデータを出したと思える。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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