パワーアップも必須! OPT連載企画、HONDAシティ・ミッド化計画・その5【OPTION 1984年2月号より】

「HONDAシティをミッドシップにしたら面白そう!」な~んていう計画からレース界の重鎮、ノバ・エンジニアリングにシティを持ち込み、ノバのレーシング技術・ノウハウをたっぷりと注ぎ込みながら進めてきたシティ・ミッド化計画。

エンジン搭載位置が変わったことからくる足まわりの煮詰めも解決し、ミッド化を生かすライトパワーアップチューンも施されました。今回はそのメニュー紹介といきましょう。今やノーマルでも当然のパーツ、インタークーラーやフューエルコンピューターなどが世間に出始めた頃です!

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シティミッド チューニング・メカ解説

【インタークーラー】

最近話題というか、もうお馴染みのパーツだが、まずはもう1度おさらいしておこう、ターボ車の場合、ターボで過給された空気はびっくりするほど高温になっている。タービンで空気を圧縮することによる発熱と、排気側からの熱によって吸気側の空気がアッチッチになってしまう。すると当然、空気が膨張し、単位体積あたりの酸素量は減ってしまう。

そのために高いブースト圧をかけてもおもったほど酸素がシリンダー内へ入っていないことになり、エンジンの出力はあまり上昇しないのだ。逆にデトネーションなどエンジンに悪いことばかり発生して、最後はポンとエンジンがダメになっちゃう場合もある。

そこで考えられたのが、インタークーラーだ。吸入エアを冷却して単位体積あたりの酸素量を多くすればターボ効果が有効に発揮されるようになる。

また、インタークーラーの配管に関しては可能な限り短くしたほうが良い。それはエンジンのレスポンスに影響するためだ。そのためOPTシティ・ミッドターボの場合は、リヤの下部に取り付け、ボディ下面を流れる空気をうまく利用して、冷却効果を発揮している。

【アルミナイズド60φマフラー】

OPTシティ・ミッドターボには当然、FF用のマフラーは使用できないので特注だ。ミッドシップ化したためにマフラーを長くできず、マフラーのタイコの部分が高温になってしまう。また消音も難しい。しかし、このHKSマフラーは音も静かでは息のヌケも良く走行フィーリング、バツグンだ。

【大容量エキゾーストハウジング】

ノーマルシティターボのエキゾーストハウジングのA/R値は0.34。HKS製ハウジング日A/R値0.44。ターボメーカーである強さがここで発揮される。ノーマルエンジンで最大のパワーを発揮するベストはハウジングなのだ。

このハウジング交換により、ブースト圧セッティングも1.2kg/cm2あたりがベストになる。ただ過給圧アップのみを目指したものでなく、安全にしかもスーパーターボエンジンに変身させてくれる強い味方だ。

【フューエルコンピューター(Fコン)】

車載ノーマルコンピューターの各センサー機能とHKS・Fコンのセンサーによって常にエンジンの負荷状態を検出して、燃料の増減を行ってくれるコンピューター。現在車載コンピューターの主流はデジタル式のため、以前のアナログ式のコンピューターのように簡単に燃料増量ができなくなってしまった。そのためにボアアップやボルトオンターボの装着、大型タービンへの交換時、チューナーは燃料増量に苦しんだというわけ。そこでFコンが登場した。

このFコンは単に回転数やブーストに比例した燃料増量でないところがポイント。内部にあるCPUがROMに記憶されたデータによって10種類のパターンの燃料増量を行う。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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